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コラム

編集部
AFTER SUGIHARA SETSUZO KOTSUJI's AID TO JEWISH REFUGEES 命のバトンをつなぐ人々Part 4-1

2019-05-11


小辻節三(右)の写真を見せながら講演をする広瀬佳司氏(左)


 1940年、リトアニア・カウナスの日本領事館で杉原千畝が発行した通過ビザを持ったポーランド系ユダヤ人が日本に到着した。ヘブライ語学者の小辻節三は神戸のユダヤ人協会から助けを求められ、通過ビザの期限切れが迫る中、即日、行動を起こした。

 何が小辻をそこまで動かしたのか?

 ロサンゼルスにあるサイモン・ウィーゼンタール・センターの寛容博物館にて3月27日に開催された「After Sugihara Setsuzo Kotsuji's Aid to Jewish Refugees」(在ロサンゼルス総領事館、サイモン・ウィーゼンタール・センター、日米文化会館が共催)にて、ノートルダム清心女子大学教授の広瀬佳司氏と俳優の山田純大氏が行った講演を振り返りながら、小辻の功績を紹介するパート4。



 リトアニアで、杉原千畝がポーランド系ユダヤ人にビザを発行していた1940年8月、外務大臣の松岡洋右は日独伊の三国同盟に向けて交渉を行っていた。 

 講演で広瀬佳司氏は、松岡外務大臣のユダヤ人に対する評価が、杉原の妻、杉原幸子(ゆきこ)とヘブライ語学者の小辻節三では異なると指摘した。

 「幸子の著書『六千人の命のビザ』の中で、幸子は松岡外務大臣を批判しています。結果として批判の対象が外務大臣となったわけですが、小辻は松岡の親しい友人として、全く異なった視点から松岡を擁護しています。松岡のユダヤ人への態度について好意的な評価をしていますし、松岡を間近で見てきた小辻は、松岡に対して深い理解と尊敬の念を持っていました」

 松岡は目的地もなく金銭も持たないユダヤ人難民にビザを発行することを許可しなかった。しかし杉原は指示に従わず、2139人のポーランド系ユダヤ難民にビザを発行した。幸子は、杉原の苦悩も知っていただろうし、領事館の外に集まったユダヤ人難民の姿も見たであろうから、外務大臣を批判するのは当然だろう。

 しかし、日本においてユダヤ人難民を救うために小辻が連絡したのは松岡外務大臣だった。

 松岡は小辻の求めに応じて“私用”として小辻に会い、ユダヤ人難民が持っている通過ビザを移民ビザに換えるように内々に助言した。当時、通過ビザは外務省の管轄だったが、移民ビザは地方の自治体の判断で発行されていた。

 そこで小辻は多額の工作資金を工面し、神戸の自治体の人々を取り込む策を講じた。この策が奏功し、ほとんどのユダヤ人難民が日本に長期滞在できる移民ビザに書き換えた。

 広瀬氏によると、小辻はドイツ・ナチス軍を含む三国同盟締結について松岡が重責を担っていたことも知っていた。

 「それ(重責)にもかかわらず、松岡さんのユダヤ人への態度は正しく、温情さえあった」と、小辻は回顧録『From Tokyo to Jerusalem (東京からエルサレムへ)』に記している。

 松岡は戦後にA級戦犯容疑者としてGHQに逮捕され、巣鴨プリズンに収容されたが、患っていた結核が悪化し、公判中に病死した。小辻の著書には、これまで知られなかった松岡の姿も記録されているそうで、これまでの松岡に対する評価が見直されているという。

 ユダヤ人難民の一人、ラビ・ピンハス・ヒルシプルグは自身の回想録『The Vale of Tears(涙の谷)』で、小辻について次のように表現した。 

 「異なる言葉、異なる生活様式の外国である日本に到着すると、私たちは一人のユダヤ人の友、モーゼの五書の友に出会ったのです。

 彼は愛と尊敬とを持って、私たちをもてなしてくれました。そして、私たちの支援となりうる全てのことをしてくれました。彼には感謝するばかりです。日本は想像以上に、私たちを歓迎してくれました」


この記事の他のパートは以下からご覧ください。
▶︎ 1
▶︎ 2-1
▶︎ 2-2
▶︎ 3-1
▶︎ 3-2
▶︎ 4-1
▶︎ 4-2
▶︎ 4-3
▶︎ 5
▶︎ 6
▶︎ 7
▶︎ 8-1
▶︎ 8-2


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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