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コラム

編集部
NITTO TIRE 水谷友重社長 ロングインタビュー③ アメリカについてよく知ることが大切

アメリカは可能性のある国、世界にはOpportunityがある

 顧客の声を聞き、顧客が求めるタイヤを高い技術で、いち早く商品化し販売してきたNITTO TIREは、アメリカの車好きたちを熱狂させた。かつては倒産寸前でブランドも製造中止になりかけたが、水谷友重社長により再建され今やタイヤ業界をリードしている。
 NITTO TIREが活躍する場は、ビジネス界だけではない。「アメリカで得た利益で、コミュニティーに還元する」という“アメリカのビジネス・ルール”に従って、日系移民史の紹介等のコミュニティー活動にも力を入れる。
 連載最終回は、母国を離れてアメリカで暮らし、働き、勉強する日刊サン読者に向けて、水谷友重社長からメッセージをもらった。

日系史から元気をもらう

 ―異文化の中で勉強や仕事をしたり、生活するのは大変ですが、日系移民史を知ると励みになることがあると思います。

 水谷社長:異文化にあって、いろいろな嫌なこと、辛いこと、大変なことなどあると思いますが、激しい差別を受けても厳しい逆境でも昔の日系人の方の頑張られたお話を聞くとすごく元気が出ます。
 私がアメリカに来た1992年当時、バブルの名残で華かなリトル東京を歩いても、正直JANMや日系移民史については何も知りませんでした。20年経ってやっと余裕が生まれ、コミュニティーへのペイ・バックを考えることができるようになりました。私もそうでしたが、渡米したばかりの頃は、新任地での生活設営や仕事のことで忙しく、余裕はほとんどないと思います。
 そこで、少しでも簡単に日系移民史を知る機会を、日刊サンや DVD を通してご提供できればと思っています。日系移民史を通じて、アメリカ文化やアメリカ人と、その中での日系人の方がどのように日本と日本人に想いを寄せていたかを知ることは、仕事でも私生活でも参考になり、意義深く役立つことだと思います。

 ―読者や視聴者の皆様からは、どんな感想が寄せられましたか。

 水谷社長:「感動しました」「こういう話があったんですか!?」などの感想を頂きました。日系移民史のストーリーを一人でも多くの方に知っていただけたことが、とても嬉しいです。ラルフ・カー知事のドキュメンタリーをご覧になり「なんとしても子供に見せたい」と思い、わざわざ東海岸からJANMに来られた日本人家族の方と、偶然に博物館でお会いいたしました。その時は本当に嬉しかったです。

今後、大切な「3つのポイント」

 ―アメリカで暮らす日刊サンの若い世代へメッセージをお願いします。

 水谷社長:ある大学院からMBAの学生への講演依頼があり、来月に予定しております。その要約をお話しいたします。それは、海外に目を向けること・テクノロジーの驚異的発展とそれに伴う新しいタイプの起業家・歴史の3つです。 
 まず、海外に目を向けること。世界には“Opportunity”があります。社内で例に挙げるのが、Red Bullのケースです。Red Bullは、日本の栄養ドリンク剤がタイに進出した時に、対抗してできたドリンクです。オーストリア人のディートリッヒ・マテシッツ氏がRed Bullブランドを世界に売り出しました。日本のドリンクを横目に、Red Bullは世界で大飛躍し、今やF1 ではRed Bullのチームが優勝。あのフェラーリがRed Bullの後を追っているんです。世界を相手にするということは、こんな大きな可能性があります。日本の若い方には、ぜひ世界を相手にして活躍してほしい。
 次に、テクノロジー。ものすごいスピードでの進化。スマホにより CPUのIntelの最大のライバルが Quolcommとなり、アマゾンがあっと言う間にクラウドの第一人者になり、2007年に設立され2009年に Appleのジョブズ氏自ら行った買収提案を拒否したクラウドのDropbox が世界の更なる注目を集めるなど激変しています。
 私は“文系の50過ぎのおっちゃん”ですが、若いエンジニアに教えてもらい一生懸命勉強してます。若い方には、テクノロジーのことで、ぜひ周りを助けてあげてください。Nittoブランドは若い方のお陰で、世界の自動車業界でFacebookファン数トップ10入りができました。
 Tesla Motors、SpaceX、PayPalの創業者イーロン・マスク氏は、「IT・環境・宇宙で人類に貢献したい」「人類で初めて火星で埋葬されたい」と公言し、NY―LA 間を45分でつなぐ乗り物を作ろうとしています。マスク氏のような独創的な起業家が近い将来、ぜひ日本からも出てきてほしいものです。
 最後に歴史。アメリカ史、日本史、日系移民史を少しでも知って理解を深めてほしい。特にHistory Channel制作の『Who built America』は、ビジネスの方には素晴らしい作品なのでお時間あればぜひご覧ください。私は、この作品のお陰でアメリカのビジネスへの理解が一気に深まりました。

 ―最後に何かございますか?

 水谷社長:ユニオンバンクの田中元頭取をはじめユニオンバンクと東京三菱UFJ銀行の皆様、いつも快くご協力くださるJANMのヤノ前館長及びキムラ現館長をはじめ博物館の皆様、日米協会、映像制作してくださったFCIの皆様、機内放送をしてくださったANAの皆様、藤崎前駐米大使、佐々江現駐米大使、水越公使及び大使館の皆様、新美LA総領事と総領事館の皆様、財務省の古澤財務官、世界政治の動きを驚く程迅速かつ的確に捉えるワシントン・ウオッチの山崎社長、他にも多くの皆様に本当に素晴らしいご指導とたくさんのサポートを頂きました。この場をお借りして、心より厚く御礼申し上げます。
 中途入社でも私を業界で一番若く役員に任命していただき、かつ上記の活動をフル・サポートしていただいている東洋ゴム工業本社の中倉会長と信木社長には、言葉に尽くせない程感謝しております。だからこそ、今後もますます業務と社会のため、頑張ろうと思っています。 

NITTO TIREでは昨年末から今年5月までNYのタイムズ・スクエアーにビルボードを出した。アメリカの朝の人気番組「Good Morning America」の放送中、背景によく映し出された。写真は昨年のホリデーシーズンに合わせたビルボード

【水谷友重氏プロフィル】 
‘84年3月 神戸大学経営学部卒業
‘84年4月 日商岩井(株)入社
       主に鉱山用タイヤ輸出業務で
       世界40ヶ国に出張
‘92年6月 米国赴任
‘00年2月 東洋ゴム工業(株)入社
‘05年7月 Nitto Tire U.S.A.Inc.社長就任
‘11年4月 東洋ゴム工業(株)執行役員就任
‘13年10月 Toyo Tire Holdings of
     Americas Inc.社長就任予定


=Tomomi Kanemaru


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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