編集部
KEIROとプロビデンス提携プログラム 「癒しケア」で自分にあったプラン ① - 2
2019-01-26
「癒しケア」利用者の声 ~まさみさんのケース~
ある日、まさみさんは、がんと診断されました。15年前に患ったがんが、再発しました。
まさみさんは、15年前はしっかり治療を行いましたが、今回は少し事情が違いました。
再発が診断された時、日本にいる、まさみさんの母親が介護を必要としていました。娘として、日本で暮らす親の介護をすることは最優先事項でした。そこで、まさみさんは、抗がん剤治療をせず、民間療法をしながら日本とアメリカを行き来しました。がんの転移は覚悟の上だったので、この選択をしたことについては、後悔はなかったそうです。
「彼女にとってはそれが一番大切だったので」と、夫のひろさんは語ります。
再発から2年後、がんの影響で大腸閉塞になり、専門医に行くと、すぐに救急に向かうよう指示され、二人は病院に向かいました。
夜8時過ぎからさまざまな検査を受けましたが、医者に診てもらったのは翌日の朝5時でした。二人で、わずかな毛布代わりのタオルで一夜を病院で過ごしました。
「一晩寝ずに、気が動転していて、なおかつ状況がどんどん変わっている中、さらに言語の壁もあって、一体そんな状況で誰が正確な判断をできるでしょうか?」
医者から、まさみさんがすぐに手術が必要なことを知らされます。
ひろさんは当時を振り返って「英語は話せましたけど、医療用語は難しかったです。とにかく情報が欲しかったけれど、理解できない状態でした」と語ります。
まさみさんの医療チームが、すぐに手術をするかどうかを判断するようにと、ひろさんに決断を求めました。しかし、ひろさんは、医療の内容がいまいち理解できず、ベッドで苦しむ奥さんを隣で心配しながら、どうしていいのか分かりませんでした。
医者との初めての面談時には、病院の通訳サービスを利用しました。
「通訳の方が電話の向こうにいて訳してくれましたが、話すスピードがとても速かったので、会話の内容を録音しました。
通訳のサービスがあったのは本当にありがたかったのですが、電話を回して、お医者さんの時間を多くとって迷惑をかけてしまい、申し訳なかったです。判断しなければならないスピード感を考えると、あまり効率的ではなかったです」
医者から手術をするか否かの判断を求められた際、まさみさんもひろさんも、どうしていいか分かりませんでした。
たくさんの質問がひろさんの頭の中を駆け巡りました。
「手術によって何か後遺症はないものなのか?」
「どれくらい一般的な手術なのか?」
「手術の成功率はどうなのか?」
二人は混乱し、右も左もわからない時に、「癒しケア」チームの医師、八浪先生を紹介されました。
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※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

