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コラム

ピアノの道
vol.119 人権宣言

2023-12-15

 「自分がしてもらったらうれしいことを他の人にもしてあげましょう」とか「自分がされていやなことは人にもしないようにしましょう」って先生に教えてもらいましたよね。古くは紀元前2000年ごろから記述があり、文化も言語も時代をも超えた世界中の宗教・道徳・哲学の常識である黄金律。

 人を喜ばすのってうれしいですし、自分の言動が誰かを傷ついたらいやな気持がします。スタンフォード大学の「思いやりと利他主義の検証教育センター(Center for Compassion and Altruism Research and Education)」では共感力の健康効果や経済効果を脳科学・生態学・心理学などの専門家が計量化しています。人間は共感と協力を通じて共同生活を営むように脳も生態もできています。相手に自分を重ねて見る人間性は人類の生存をかけた性なのではないでしょうか。そういう人間性を育み慈しみ助長するのが音楽や祭りごとではないかと私は思って音楽の治癒効果を謳う「Dr.ピアニスト」の活動を続けています。

 「人間はみんな自由人として同じ権利と尊厳を持って生まれる。理性と良心を授かるものとして同胞の精神を持ってお互いに接するべし。(All human beings are born free and equal in dignity and rights. They are endowed with reason and conscience and should act towards one another in a spirit of brotherhood.)」

 こんな第一章で始まる世界人権宣言が公布されたのが、1948年12月10日です。8千万人ともいわれる犠牲者の大半が民間人だったという悲惨な第二次世界大戦を経て、1948年12月9日のジェノサイド条約採択の翌日の宣言でした。そのお陰で人種差別撤廃条約や人身売買など他人からの搾取の禁止条約などの進歩を遂げ、#MeTooや#BLMに至っています。一方戦争殺戮や人権宣言から75年経ったAIの時代に今なお続きます。

 声を合わせて歌えば、歌詞の言語が違っても我々の心拍や呼吸や脳波はシンクして、みんな一体感を味わいます。おいしいご馳走を一緒に頬張れば笑みがこぼれるのと同じように。人間みな兄弟。音楽万歳。

この記事の英訳はこちらでお読みいただけます。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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