JERCの教育相談Q&A
vol.18 子どもの『こころ』を育み『知能』を育てる言葉
2019-04-08
言語学にも造詣が深い外山滋比古先生は、ご著書などで「バイリンガリズムは幼い子にとって負担である」と言われています。子どもは母のことばで育てなくてはならない。母語がわかるようになってから、外国語を始めても遅すぎることはないと。
1)アルファー語(具体語)とベーター語(抽象語)
お母さんはアルファー語(見ることも触ることもできる言葉)でゆっくり話しかける。子どもは最初アルファー語を習得し、それからベーター語(見ることも触ることもできない言葉)の双方が習得されたところで『子どもの心』が生まれる。三つ子の魂である。
『これはえほんね。これはリンゴ。これはボール』とお母さんは子どもに語りかけると、子どもは目で見て触りながら物の名前を覚えていく。語彙の習得である。
それから幼稚園に通う年齢になると、そこでベーター語をしっかり身に付けさせる。大人の話を聞く訓練が始まる。先生の話が聞き分けられるようにすることが大切である。
お母さんは家庭の中で、頭の中で解ることばを育むことである。昔話やおとぎ話を毎日きかせることで、見ることも触ることもできないことばを育む。
2)小学校で具体的言語の理解から抽象的言語の理解への移行
具体語から文字を読むことを始め、2、3年かかって抽象語のことばを読めるようにする。物語等フィクションの文章を読ませることで、抽象語ができるようになる。 参考文献:外山滋比古著「頭のよい子はことばで育つ」
ことばによって育まれる子どもには、先ず母語で母乳語(具体語)と離乳語(抽象語)を育てる必要があります。それが学習していく上でどれほど大切なことか!
詳しくは4月24日(水)午前10時より開催の教育オリエンテーションでお話し致します。
テーマ:「子どもはことばで育つ」~ 子どもの耳をよくするしつけ ~
お申込みはJERC日米教育サポートセンターまで。
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※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。