後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第393回 米国労働者の最低時給は?
2016-09-22
❀働けどなおわが暮らし楽にならざりじっと手をみる❀
賃金の少なさをなげく啄木の歌は労働者の気持ちをとわに伝えている。
一時間あたりの最低賃金改定額が十月一日、都道府県ごとに通知され即日、発効する。
例えば東京九○七円を九三二円、愛知八二○円を八四五円、福岡七四三円を七六五円に上げる。
欧米の時給はというとフランス九・六七ユーロ(一一二一円)、英国六・七ポンド(九三一円)。
米国は七・二五㌦(七六○円)。日本より低額にみえるが、実態は日本よりずっと高い。
連邦の公正労働基準法で米国は一六年現在、時給七・二五㌦に設定しているが、各州、大都市にはこの額を上回るよう奨励している。
結果、カリフォルニア州は現行一○㌦(一○三○円)を来年一月一○・五○㌦、一八年一月一一㌦、一九年一月以後二二年まで毎年一㌦ずつ上げる。
LAとLA郡も独自に時給を決めている。現行一○・五○㌦を一七年七月一二㌦、一八年七月一三・二五㌦、一九年七月一四・二五㌦、二○年七月一五㌦に上げる。
昨年一二・二五㌦のSFは今年七月一三㌦に、一七年七月一四㌦に、一八年七月時点で全米初の一五㌦突入を実現する。
一九年以降は生活費の上昇率をみて決める。
米国は一般労働とチップ労働の二通りの時給を設定している。ここまでは一般労働者の時給を中心に紹介した。
チップ労働者の時給はこれから述べる。
チップ労働はレストラン、ホテルの従業員、タクシー運転手等のサービス業で、連邦政府は時給を二・一三㌦に設定、二・一三㌦プラス・チップで時給七・二五㌦以上になると見込んでいる。
七・二五㌦の収入を得られない場合、雇い主に補填させるという。
カリフォルニア、ニューヨークのチップ労働者は条例で時給一○㌦、同九㌦を約束されている。
さらにLAは二○年に、SFは一八年に時給一五㌦を実現させる。
カリフォルニア、ニューヨークで働くチップ労働者は下手な一般労働者より恵まれている。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。