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後藤英彦のぶっちゃけ放題！
第415回　横綱の年俸、懸賞金等の額は？

2017-03-02

　明治神宮で雲竜型土俵入りを披露、紅い肌の巨体が輝いてみえた。
大関稀勢の里が第七五代横綱に昇進、日本人横綱の誕生は三代目若乃花以来十九年ぶりだ。
伝統芸、相撲道の収入はどうか。稀勢の里横綱昇進を機に、横綱の財布（未公開につき推計を含む）を覗いてみよう。
稀勢の里の年俸はこれで大関時代の三七二三万五千円から横綱の四五五一万円に上がる。
横綱の年俸は　①年額給与三三八四万円　②年額賞与五六四万円　③特別手当一二○万円　④出張手当一一五万五千円　⑤力士補助金七万五千円　⑥力士報奨金（一場所当たり）六○万円から成る。
まだある。スポンサーから贔屓力士に懸賞金が出る。旗一本につき六万二千円。
納税充当金二万六千七百円と相撲協会事務経費五千三百円が事前に差し引かれるから、実際の手取りは懸賞旗一本ごと三万円となる。
懸賞旗の上限は規定で一勝負五一本までだが、たまに増本も許される。
過去の白鵬対鶴竜、鶴竜対照ノ富士、稀勢の里対鶴竜に限って六一本の懸賞がついている。
懸賞金は人気力士や強い力士など好取組に出る。稼ぎ頭はむろん白鵬だ。
懸賞旗六一本の対鶴竜戦に勝った白鵬は数十秒で三七八万二千円(手取り一八三万円)を稼いだ。
懸賞旗の数は毎場所一九○○本以上に上るが、これまでの最高は昨年九月場所の一九七九本。
白鵬はまた昨年一月場所で月間最高の五四五本を獲得、懸賞金にして三三七九万円（手取り一六三五万円）を稼いだ。
懸賞金の年間最多記録も白鵬で、平成二二年に二一一一本を手にした。
懸賞金だけでこの年、一億三○八八万二千円（手取り六三三三万円）を稼いだことになる。
年俸、懸賞金に加えテレビ出演料や贔屓筋の祝儀、地方巡業での臨時収入も数百万円入る。祝儀等の現金が課税されないのも力士稼業の旨味だ。
後援会が数百万円以上する廻しや化粧廻しを力士に贈呈するが、中には破格のものもある。
元大関若嶋津（二所の関親方）の後援会は時価一億五千万円、一○カラットダイヤの化粧廻しを贈ったそうだ。

※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。