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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第420回 ファンに一番の良薬は稀勢の優勝

2017-04-06

一九七四年の名古屋場所だった。一敗で千秋楽を迎えた 大関北の湖は、本割で二敗の横綱輪島を破り横綱昇進を決めるつもりだった。
しかし輪島は強かった。左下手投げで北の湖を土俵にはわせた。
二敗同士の優勝決定戦で、北の湖は再度、輪島の左下手投げを食って土俵の土にまみれた。
 歴史は繰り返すと言うが、輪島・北の湖戦そっくりの死闘が今場所千秋楽で繰り広げられた。
十三勝一敗の大関照の富士は本割で、十二勝二敗の新横綱稀勢の里(以下稀勢)を破って優勝し、横綱昇進への足がかりにしようとしていた。
最初の立会いは不成立。二度目、左に変化した稀勢が後退し回り込み突き落として勝った。
共に二敗の優勝決定戦は十三日の日馬富士戦で傷めた左腕を使えない稀勢が両差しで後退、渾身の右小手投げでまた勝った。
稀勢の奇跡の優勝に八角理事長は「今後に語り継がれる逆転優勝だ」と喜んだ。
十四日目の琴奨菊戦で照の富士は立会いの変化で琴奨菊を葬った。八角理事長は「勝ちたい気持ち、わかるけどお客さんが観ているわけだから、残念」と顔をしかめた。
観客も「モンゴルに帰れ」のブーイング。翌千秋楽で稀勢が左に変化して勝つとやんやの拍手。
二○一二年初場所で大関把留都は館内の「国へ帰れ」コールに立ちすくんでしまった。
立会い一瞬の変化で稀勢をはたき込んだ。痛めた左ひざをかばっての変化だったが、日本贔屓の観客は怒っていた。
単独十二連勝の把留都は賜杯を抱く己の姿に欧州の母親の喜ぶ顔を重ね合わせていた。
思えば稀勢の横綱昇格は日本人ファンの悲願だった。
武蔵丸(ハワイ)、朝青龍(モンゴル)、白鵬(同)、日馬富士(同)、鶴竜(同)と外国人横綱が続き、日本人力士稀勢が七二代横綱に上ったのは十九年ぶりだった。
国技大相撲の横綱を二十年近く外国人に占められた日本人の胸の内は張り裂けそうだった。
変化で勝った外国人力士を痛罵せずにはおれなかった。日本人の欲求不満を解消する一番の良薬は稀勢の里が外国人力士を倒し優勝することだ。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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