今月の庭仕事
Lesson 157 11月1日のセミナー報告③
2016-01-20
読者の皆さん、あけましておめでとうございます。1月に入り、待望の雨が降りました。あれでずいぶん土壌の塩分レベルが下がったことと思います。雨の後はオートマティック・スプリンクラーのタイマーをオフにするのを忘れないでください。
さて前回、前々回と11月に開催された「おいしい果物を作る秘訣」セミナーの報告をしてきましたが、今回は「栽培の概要について」のセミナー報告です。
肥やしをやる(施肥)時期ですが、年に3回です。成長する前(春先)、成長中(果実肥大中)、結果の後(成長停止後)だそうです。
成長する前というのはいわゆる休眠期にあたり、この時期に与える肥料は、日本語の本などに書かれている「寒肥」にあたります。休眠期に施肥するわけですから、即効性のある化学肥料を使っては何の意味もありません。3月ごろ、成長し始めるころに効力を発揮するように、基肥として遅効性の鶏糞、ボーンミール、ブラッドミールなどを施肥します。
成長中は追肥として、バランスの取れた即効性の化学肥料を施肥します。必ず使用説明書を読んで、多肥にならないように気をつけましょう。この時期の多肥は成長過程を狂わせてしまいます。成長停止後から収穫となりますが、収穫後、木は疲れ果てているので、即効性の化学肥料か液肥を施肥します。これは木の疲労回復が目的なので、使用説明書に「5~10ポンド」と使用量に幅がある場合は、少ない使用量で充分です。液肥の場合も同じです。
ここで問題となるのは、施肥の方法です。私のカスタマーを例にあげると、幹の周りに投げたり、あるいは一箇所だけ穴を掘って、そこに肥料を入れて水をかけます。そして、「肥料はやったのに、なぜ効かないのか?」と質問してきます。どんなに美味しい栄養満点の料理も口にテープを貼られていたのでは、食べることはできません。それと同じで、肥料は水に溶けた状態で初めて根から吸収されます。上記の例は、根のない所に肥料を撒いて水に溶かしている状態です。根は幹の周り360度に伸びた枝の下辺りにあるので、360度の溝を掘り、そこに肥料を土と混ぜて埋めて戻し、水が流れ出さないように水をまいてください。
セミナーでは果樹剪定の目的とその達成法も紹介されました。今年も野菜セミナーを開催する予定です。決まり次第、お知らせするので、ぜひご参加ください。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。