今月の庭仕事
Lesson116 家庭菜園の「温度管理」について
2014-05-27
私達の住む環境では温度というものが非常に大きな課題です。寒ければ着物を重ねて着ますし、暑ければ薄着で通すように工夫します。家庭菜園の野菜作りにおいても、さまざまな温度環境が存在しますが、どのような対策をしたら、良い野菜ができるのかをみていきましょう。
野菜がまだ種の時期においては過湿にせず保管しますが、温度も上がり下がりが少なく調節されます。普通は湿度が少なくて、光の当たらない、温度の上がり下がりが少ない冷暗所で維持されます。冷蔵庫の野菜を入れる場所も理想的ですが、その温度があまり低くならないように注意が必要です。
さて、そのように保管されてきた野菜の種が、普通は秋か春に蒔かれます。その時の適当な暖かさが、発芽温度です。もし、自然の発芽温度になる前に少しでも早く栽培したいのでしたら、温室、ビニールハウス、室内、畝(うね)にビニールなどを被せるなど、マルチの方法があります。もう一つ、透明なプラスチック、またはショッピングバッグなどを使って、行灯(あんどん)にしたようなホットキャップを利用する手もあります。
いよいよ芽が出てくると適当な生育温度が必要です。その温度は私達が外に出て少し暖かいなと感じる程度で、決して暑いと感じる程度の高さではないことに注意しましょう。家庭菜園においては加減が難しい場面で、ほとんど神様に頼るしかないですね。少しできることは、鉢植えのものを動かして場所を変えるとか、温度によっては水やりの量、または時間で少しの加減は可能です。
ネットを張っても少しの温度調整はできますが、遮光量とネットを張る高さを調節する必要があります。大体は遮光量(ネットを通して入ってくる太陽光線の量を遮る分)が多いと温度は下がります。またネットまでの高さが高いと温度は下がります。
今回のの話題に直接関係はありませんが、フキなどを育てるときにネットを低くして囲うようにしてあげると、柔らかくて良いものができます。
野菜作りは水やり、肥料、土の総合的なものですが、それに温度のことも加えてください。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。