今月の庭仕事
Lesson 115「土壌改良材」について
2014-05-14
どのホームセンターに行っても大きな混乱を引き起こすのが、苗木を置いてある土壌改良のためのセクションです。長年、庭の仕事に携わっているガーデナーにとっても、さまざまな会社が何種類も出してるので、本当に何が何だか分かりらないのが実情です。
法的な規制がないので、各会社の袋には“言いたいことを言いたい放題”という感じです。追肥などに使う化学肥料はしっかりとした規制があるので、袋に書かれていることは成分表を見る限り誤解が少ないでしょう。ちなみに、これも肥料の知識が多少ないと正確に把握することは難しいでしょうが、おおまかな予想はつきます。
ところが、土壌改良材についてははっきりとした表示が義務付けられていないのです。となると、「土壌改良材」と呼ぶのにも無理がある感じです。現在では、鉢植え用には鉢植え用の土が売られているし、直接に地面に植えるときには、他のものと混ぜなくてもいい土が並んでいます。以前のように改良剤を土と混ぜて植え付ける必要がないようにも見えます。
この現状の最大の欠点は、原材料が分からないことです。販売されているし、ブランド名の隣には中が見えるプラスチックなど、小さな容器にサンプルを入れてもらえたら中身を推測する必要もないし、時間も短縮できます。よく袋に穴が開けられているのを見かけますが、他の人も同じように感じている証拠でしょう。
私は、袋の上から親指と人差し指でつまんで中の材料の粗さなどを感じ取って必要に応じて選択しています。私の庭では、既存の土が細かいので粗めのものを探します。そして袋に書かれていることなどはあんまり信用しません。もともと言いたいことが言えるわけですから、いくら法螺を吹いても文句のつけようがないのです。
一番ひどいなと思ったのは、「使えば二倍大きくなる!」なんて書いてある商品です。ただそれを使うだけで、そうなるのだったらガーデナーも必要なくなるし、野菜教室にわざわざ出かける必要もなさそうです。
ご自分でしっかりと観察しながら、理由を考えながら、野菜作りを楽しんでいきましょう。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。