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コラム

ピアノの道
vol.179 アーティスト・イン・レジデンス

2026-06-21

Virginia Center for the Creative Arts(ヴァージニア創造芸術センター:以下VCCA)に2週間滞在しています。作曲家・視覚芸術家・物書きが雑用や社会から隔離されて創作活動に専念する時空と、世界各地から参加する他の芸術家や地域社会との交流を活動発展の糧として提供する、というプログラムです。

日本語では「作家滞在型制作」と呼ばれるアーティスト・イン・レジデンス・プログラムの起源は、将来有望な創作家が情報や人的ネットワークを広げるために他国や多文化での研鑽を積むため奨学金制度だそうです。日本でも地域活性化の起爆剤として多くのプログラムがあるようです。

DCから車で南に3時間ほど運転した距離にあるVCCAは自然豊かな400エーカー。ここではリスやウサギが逃げない!手を伸ばせば届く距離でいつまでも草や木の実をもぐもぐと食べています。鳥や蛙がのんびりと鳴く中で私専用のスタジオで執筆していると没頭して我を忘れます。午後は誘われるままに近くの湖で泳いだりヨガのクラスに参加する事もあります。夕食は参加者みんなで食卓を囲みます。「同じ釜の飯」という言葉が思い出される親密さで盛り上がり、議論や笑い声が毎晩賑やかです。夕食後は有志による作品発表会。朗読やプレゼンを聴講したり、創作者の説明付きで絵画や彫刻を鑑賞したりします。

ある日「沈黙と忍耐から研ぎ澄まされる真実」という内容で写真家と会話をしていたら二重の虹が空にかかりました。そしてその後我々が語る中、夕焼けは黄金・紅・紫・漆黒と息を呑む七変化を遂げ続けたのです。でも多分その感動を可能にしたのは、空を愛でる時間と気持ちの余裕と、真実を見出すことに研鑽を重ねてきた仲間だったと思うのです。美しさはどこにでもある。問題はそれをどうやって見出すか、慈しむか―そのお手伝いをするのが芸術であり、芸術家だと思ったのです。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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