JERCの教育相談Q&A
vol.70 国際結婚における子どもの教育
2026-05-24
教育相談に時々寄せられる国際結婚によるお子さんの教育問題です。特に言語の問題で悩まれている方が多くおられますので、いま一度、言語教育についてお伝えしたいと思います。国際結婚のご家庭では父親の母語、母親の母語があり、子どもは二つの母語を持つことになります。
一番大切なことは、子どもに接する時間が長い母親の母語で言語能力の基礎づくりをされることです。セミリンガルという軟弱な言語能力では、学習していく際への影響が考えられ、思うような成績は期待できないことになります。幼少期はしっかりした言語の基礎づくりをしましょう。
1,子どもは母の言葉で育てよ
“子どもは母の言葉で育てよ”と言われているように、お子さんが誕生した時に語りかける言葉は、やはり母親の母語が自然ではないでしょうか。母親の毎日の語りがけが言葉を育てます。ですから母が対応できる言葉で育ててあげることが、これからの子どもの母語の育成に於いても、母親の価値観を伝えるためにも重要なのです。また親の言葉がけによって、子どもの人間性が育まれていきますので、優しい穏やかな言葉で話しかけてあげましょう。
2,母親が日本人でも第二言語の英語で育てるケース
以前、アメリカの現地校で教育を受けた日本人の母親から、子どもの言葉の問題について相談を受けました。父親は中国人ということで、家庭の中で夫婦の会話は英語。母親は子どもを日本語で育てようとしましたが、父親は中国語も教えたいと主張し、困った末の相談でした。
そこで私は、両親の共通語である英語で育ててはどうかと提案しました。英語で学んだ経験のある親ならば学習もサポートできること、子どもは将来、英語圏で生活していくだろうということもあり、両親は英語で育てることを決めたのです。一番重要なことは、先ず子どもの言語能力を育てることですから、その点を忘れずにぜひ頑張って欲しいと伝えました。
3,子どもの言語能力(読解力、抽象語の理解、論理的に説明する力)を育てる
子どもは8歳後半までに言語の基礎が出来上がります。幼少期より先ずそれを第一に考え、言葉を育ててあげましょう。話す力、字を読む力、内容を理解する力、抽象言語を理解する力、そして物事を論理的に考え説明する力、これらを子どもの成長と共に育んでいくことが求められます。これらの力が学力に反映し成績向上に繋がるのです。
4,教育方針を決める
国際結婚の場合だけでなく、子どもの教育方針を決めるのは難しい点もあるかと思います。両親の考え方も異なり、習慣や文化も異なるケースもありますので妥協点をみつけましょう。どこで育てるのか、どのように教育をしていくか、家庭内のルールや躾はどうするのか等、両親でよく話し合っておきましょう。教育方針に沿って、父親と母親の役割を遂行していかれれば、お子さんは立派に成長されることでしょう。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

教育アドバイザー








