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コラム

キム・ホンソンの三味一体
vol.238 不条理な恵み

2025-12-14

先日、ちょうど息子たちを迎えに学校へ行こうと玄関のノブに手をかけた時、ものすごく大きな音が鳴りました。一瞬、2階にいた娘が窓の外に椅子か何かを投げたのかと思ったのですが、そんなはずがないと外に出てみると、なんと家の前の道路に転覆した車があって、まだ揺れている車体から煙が上がっていました。とりあえずその車に駆けつけてみると、私より先に集まってきた人々が911に電話をしていたり、ドライバーの人に声をかけていたりしていました。息子たちの迎えがすでに遅れていることに気づいたのと、自分が役に立つことはなさそうに思えたので一旦家に戻り、いつもとは違うルートで子供たちの学校に向かいました。

後になってニュースを通して分かったことは、実はその事故に巻き込まれた車は7台にも及び、その転覆した車に乗っていたドライバーは死亡したということでした。そしてニュースの中で、事故が起こった時に別の車のダッシュカムに残っていた映像を見た時、思わず慄然としてしまいました。映像の中で猛スピードの車に衝突された車は、私がいつも子供達を迎えに行く時と同じ方向、同じ車線を走っていました。もし私がいつもより1分早く家を出たとしたら、同じく衝突されていたのかも知れません。死んでいたのかも知れません。しかし、どうして私は助かり、その人は亡くなったのか、それは誰にも分かりません。だからこそ“人生は不条理だ”と言われているのだと思います。

聖書的な考えの核心となる言葉の一つに「恵み」というものがあります。その意味は、愛されるに値しない者にもかかわらず、自分の命を投げ打ってまでその者を愛す、ということです。その実例がイエスの十字架です。イエスの十字架により赦されざる罪が赦され、愛されるに値しない人類が愛され救いが与えられる。ならば、「恵み」も、ある種の不条理なのかも知れません。ただし、予想不可能な事故によって命を失うといったような不条理ではなくて、資格も値打ちもない自分にもかかわらず、神の一方的な恵みによって命が与えられるというポジティブな意味での不条理のことです。

その日の夕方、家族のみんなに家の前で起きた交通事故のことを話してこう言いました。「神さまの恵みで助かったのだから、パパにはきっと生きている間にやらないといけないことがまだあるのだと思う。」 

“ 神の恵みによって今日のわたしがあるのです。”(コリントの信徒への手紙一15:10)


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

「このコラムへの感想や質問はこちらへ → khs1126@gmail.com
礼拝:日曜日午前10時(ハンティントンビーチ)、日曜日午後2時(トーランス)
お問い合わせ:携帯 (310) 339-9635」




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