JERCの教育相談Q&A
vol.59 子どもはことばで育つ ~「こころ」を育み「知能」を育てることば~
2025-06-20
お茶の水女子大学教授で言語学者の外山滋比古氏は、子どもの「こころ」を育み「知能」を育てるのはことばであると言われています。子どもの心を豊かにするには、豊かな気持ちのこもったことばで話しかけてあげること、そして話すことばをしっかりしつければ、賢くなりよい心も育つことになります。
では具体的にどのように接すればよいのでしょうか。
1,お母さんは「母乳語」(具体語)で、ゆっくりと自然に話しかける
子どもは最初母乳語を習得し、それから離乳語(抽象語)の双方が習得されたところで『子どもの心』が生まれる。三つ子の魂である。
2,具体語の母乳語から抽象語の離乳語への移行
*母乳語(具体語)・・・見ることも触ることもできることば。犬と言ったら、そこに“犬”がいなくてはいけない。
*離乳語(抽象語)・・・見ることも触ることもできないことば。頭の中で解ることば。フィクション、物語、新しい思想、発見など、離乳語をしっかり教える。昔話やおとぎ話を毎日きかせること!
3,アルファー語(具体語)からベーター語(抽象語)への転換がきめて高度の知的作業である
*幼稚園では、ベーター語(抽象語)をしっかり身に付けさせる。それには、よく大人の話をきく訓練が大切である。耳でベーター語(抽象語)をしっかり聞き分けられるようにする。聞いた話が理解できるようにすると記憶力が強くなる。
4,小学校への入学
*具体語から文字を読むことを始める。2~3年かかる。次に抽象語のことばを読めるようにする。
*具体的言語の理解から抽象的言語の理解へ移行するのは、たいへん困難を伴う。移行期の子どもに物語などフィクションの文章を読ませる。同じ文章を繰り返して読む。
*反復音読していると、自から抽象語ができるようになる。具体語から抽象語への切り替えの方法として優れている。
5,バイリンガリズムは幼い子にとって負担である
子どもは母のことばで育てなくてはならない。母語がわかるようになってから外国語を始めても、遅すぎることはない。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

