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コラム

ピアノの道
vol.144 お愛でとう

2025-01-05

新年明けましておめでとうございます。
 
昨年も大変お世話になりました。2025年もよろしくお願いいたします。

 
おめでとうの漢字はいくつかあるようです。お芽出とうは芽が出る→努力の結果が形になる―これは分かりやすいですね。お目出とうは賽(さい)の良い目が出るということ、そしてお愛でとうは「愛でる」+「甚(いた)し」で、「とてもいとおしい」という意味なんだそうです。
 
私の今年の目標は「あるもの愛す」。「ないものねだり」の反対語は「あるもの探し」なんだそうです。可能性の範疇にないものをねだって嘆くより、範疇にあるものを主体性を持って探し求め実現化し、そして感謝して慈しむ、という意味の「あるもの愛す。」例えば世界平和は、個人が実現化できる範疇にはないので、願うことは他力本願のないものねだりになります。でも一方、自分の心中や人間関係の平和を積極的に探し求めて実現することは、連鎖反応によって結局、個人にも可能な世界平和への貢献になりえるのではないでしょうか。「もっともっと」と利益や寿命に数値ばかりを追い求める欲張り亡者よりも、あるものを慈しみ、どう活用するかに重点を置けるようになったのは年の功でしょうか。
 
かくいう私も「もっともっと」と音数や音量や演奏会や聴衆の数・大きさに囚われて、亡者になった過去を経ています。でも最近思うのです。ミスタッチというのは誇張や虚言と出所が同じなのではないか。見栄っ張りの勢い任せで指は転がり、舌は滑ります。本当に心を籠めて出す音や奏でる演奏には、ミスはあり得ない。そして心を籠めるためには時間と気持ちのゆとりが必要です。
 
…という訳で、「あるもの愛す」お愛でとうございます。
 
皆さんは、どういう心持ちで新年をお迎えでしょうか。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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