JERCの教育相談Q&A
vol.52 幼児期の子どもと異文化社会 その② プリスクールと幼稚園の選択
2024-11-22
幼児期のお子さんを帯同されて異文化社会で生活を始められた皆さんは、近くに日本の幼稚園がある場合、現地のプリスクールに通わせようか、日本の幼稚園に通わせようか迷われる方が多いですね。そして何を基準に選んだらよいのか、相談が寄せられます。保護者の方には、幼児期のお子さんは母語習得の重要な時期であること、言語により知的発達が促されることを特にお話しております。
① プリスクールと幼稚園の選択
現地のプリスクールを選ぶか、日本の幼稚園を選ぶかはたいへん重要な選択になります。可能であれば、日本語で教育が受けられる日本の幼稚園に通われることをお薦めします。それはこれから母語である日本語を習得する時期に入りますから、園内での先生とのコミュニケーション、お友達との会話から習得する言葉はとても重要であるといえるからです。選択の余地なく、現地のプリスクールに入れられるご家庭は、お母様が家庭教師となって日本語育成に励んでいただきたいですね。
② 教育方針とカリキュラム
園の教育方針を把握し、ご自分の考えに合うか確かめましょう。保育内容や様々な活動についても確認が必要です。また年齢に合ったカリキュラムが提供されているか、その園、独特の活動があるのか等を調べておくことも大切ですね。
③ 教師の人となりや経験
教師の資格はあるか経験はどれくらいあるのか等、確認しましょう。また子どもへの対応が丁寧であるか、それも重要な点です。教師の服装や言葉使いも大切なチェックポイントになります。子どもは言葉も大人の真似をしますから、日本の幼稚園の場合、教師もきれいな日本語で会話されているか、子どもとのやり取りなど見学の際に確かめましょう。
④ 施設について
園の周辺の環境も治安の面から大切です。チェックしましょう。そして園内は安全で清潔になっているか、教材等が整っているか、また室内、屋外の遊び場はどうなっているか確認されると宜しいでしょう。
⑤ 見学希望
園側に見学を希望し、①から④までの留意点を参考に園内を見学させていただきましょう。自宅からの距離も含め選択されることをお薦めします。
⑥その他の注意点
幼稚園を選択される際、お子さんに「どの幼稚園に行きたい?」と質問される保護者の方がおられるようですが、それは親の責任放棄と言わざるを得ません。責任者である保護者の方が選択され、お子さんを安心して預けられる幼稚園で、大切な幼児期の教育を受けさせてあげることをお薦めいたします。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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