JERCの教育相談Q&A
vol.50 第二言語で学ぶ子どもたち ~母語を忘れないで!~
2024-09-20
昨日まで日本語で学んでいた子どもたち、ある日突然英語で学ぶことになり、大きなショックを受けることになります。それを支えるのは保護者であるお父さんとお母さんですね。暗いトンネルの中に迷い込んだような毎日を過ごす子どもたち、少しでも早くトンネルから抜け出せるように、サポートの手を差し伸べてあげましょう。
1,コツコツ勉強すること
落ち着いてコツコツ勉強をする習慣は、家庭における躾から始まります。先ず母親の日常が重要です。家を出たり入ったり、ママ友とおしゃべり三昧では、子どもにとって静かに学べる環境ではありません。予習、復習、テスト勉強、そして宿題をするときは、できるだけ近くにいてサポートできる体制を整えておいてください。時々は家の中でなく、図書館などで勉強させるのも気分が変わってよいでしょう。
2,まず母語を育てる
日本から現地校へ、お子さんが編入されたばかりの保護者の方は「これから英語で学ぶのだから・・」と、英語を習得させることばかりに翻弄されているようですが、実は母語での学習はそのまま継続して学んでいって欲しいのです。休むことなく・・・。その母語である日本語力を伸ばすことにより、その言語力が第二言語である英語での学習に移行するのです。日本で勉強ができていた子どもは、現地校でも成績優秀者の仲間入りができています。
3,現地校での学習
現地校の小学校4年生レベルの英語力は、日本の高校2年生レベルの英語力だと言われています。小学3年生や4年生で編入した子どもが、授業についていけるようになるには5年ほど年数が掛かります。焦らずコツコツと英語を習得しながら、授業に参加し宿題もきちんと提出する、この地道な努力は将来子どもの財産になること間違いありません。またアメリカ社会は自分の意見を持ち、それを発言することが当たり前の社会です。子どもたちは学校で教育を受けることで、常に自分の意見を持つように育てられています。それは重要な教育です。
4,家庭でのサポート
現地校で学んでいくためには、特に家庭でのサポートを必要としています。先ず学校の宿題。まだまだ宿題を一人で仕上げるには時間がかかるわけで、親が取り組むことになります。親子合作の宿題になりますが、期限を守って提出しましょう。成績に影響しますから。そして現在、学校で子どもが何を学んでいるかを確認し、テキストの内容を少し日本語で説明しておくと授業内容が理解できなくても、学習に参加しているという意識が芽生えます。とても重要なことです。
日本語で学んだ学力が、第二言語での学習に移行することを忘れないでください!!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。