JERCの教育相談Q&A
vol.44 学習言語が習得できていない子 ~ 授業中をどう過ごす? ~
2024-01-26
日本から現地校に編入したばかりの子どもは、学校に登校しても、英語での授業に参加することはできません。さてその時間をどのように過ごしたらよいのでしょうか?
これまでいろいろなケースがありました。ただボーっとしている子、寝てしまう子、友達同士で少年ジャンプの廻し読み、自分の好きな本を持参で登校し読書の時間に!
子ども達は、それぞれ授業に参加できない悔しい想いを抱えながら、何とかその時間を有効に使おうと苦心しているようです。空白の時間を無くすために、私から有効的な時間の使い方をお伝えします。
① 英語の勉強をする
できるだけ早く英語を習得するために、言語としての「英語」を学ばなければなりません。家庭教師に指導を受けているケース、英語の塾に通っているケース様々ですが、そこで出される宿題をしたり、英文法のテキストで学習することもできます。その場合、担当教師には事前にお断りしておくこと。英語習得のためならば了解して下さるのではないでしょうか。
② 読書をする
雑誌のようなものはお勧めできませんが、好きな本を読む時間にするのも良いかと思います。この場合も教師には伝え了解を得ておきましょう。最近は子ども達が読み易いように、日本の歴史、世界の歴史が漫画で出版されているシリーズもあります。
③今後の授業の受け方
いつまでも大切な授業に参加しないのは良くありませんので、理解できなくても、少しずつでも授業に参加する努力はしましょう。例えば次に習うチャプターの予習をするのです。保護者が大体の内容を説明しておくと、授業を受ける時に何についての内容なのかを予想することができます。それだけも一歩前進、今後の学習に効果が表れるでしょう。
④留意すること
留意する点ですが、すべての科目には参加できないでしょうが、算数、数学、PE(体育)、音楽、アートなどは積極的に参加しましょう。English Art(国語)、ソーシャルスタディ、サイエンス等は学習言語が習得できていないと理解することは困難ですから、それらの科目の時間が「空白の時間」とならないために、英語の勉強時間に当てることは有効的ではないでしょうか。
以前、ESL教師から伺った話ですが、ESLの授業時間に日本語補習校の宿題をしている日本人生徒がいる、と少々怒り気味で話されていたことがありました。ESLプログラムは、英語習得のためのプログラムですから、その時間に他の勉強をすることは言語道断、気を付けましょう!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。