キム・ホンソンの三味一体
vol.190 聖霊の声
2023-06-02
先週の日曜日、世界中の教会は聖霊降臨祭を祝いました。聖霊降臨祭というのは、復活したイエスが40日間を弟子たちと共に過ごした後に昇天するのですが、それから10日後に弟子たちの上に聖霊が降ったことをお祝いする祭りです。復活したイエスが弟子たちを離れて天に昇った後、弟子たちは意気消沈し不安な日々を過ごしていたと思われます。死んだと思ったイエスが復活して自分達に姿を現して、これから世界中にわたしが教えたことを宣べ伝えなさい、と言われた時はそれなりに自信もあってやる気もあったのです。しかし、主イエスの昇天後、我に返った彼らは、実は何も変わったことなどないことに気づくのです。イエスを処刑した勢力に捕らえられないように逃げ回らなければならない現実が依然とそこにあったのです。その時、イエスが約束した聖霊が弟子たちの上に降りました。そして、聖霊を受けた弟子たちは、まるで別人になったかのように立ち上がり、恐れることなく福音を宣べ伝えはじめました。実は、この時に弟子たちの上に降った聖霊は、霊となったイエス自身でもあるのです。以前イエスが弟子たちにした約束を果たしたのです。「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28:20)霊となって弟子たちに降ったイエスは、恐れと不安を抱えた力なき弟子たちに対して、ありのままの弱いあなたがたをわたしは必要としているのだ。恐れることはない。わたしが世の終わりまで共にいる、との約束を思い起こさせ確信を持たせたのです。
人は誰でもそれぞれが歩んでいる人生の旅路において、悩みや問題など弱さを抱えながら生きています。人間関係や仕事上の悩みをはじめ、金銭的な乏しさ、健康上の問題、それに身寄りのない寂しい晩年を迎えることに不安を覚える人だっていると思うのです。そのようなすべての人々へと霊となったイエスは、ありのままで良いのだと語るだけでなく、そんなあなたをわたしは必要としているのだ、と言っているのです。どんな悩みや問題を抱えているとしても、生きている以上その人生には果たすべき目的があるのだ、と。わたしがありのままのあなたを救うために十字架にかかったように、あなたも誰かのために自分の人生を生きなさい。あなたの人生の終わりの日に、わたしがあなたを迎え入れよう、と語りかけている聖霊の声を聞くことができる人は幸いです。
礼拝:日曜日午前10時(ハンティントンビーチ)、日曜日午後2時(トーランス)
お問い合わせ:khs1126@gmail.com (310) 339-9635
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

