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コラム

ピアノの道
vol.102 静止に培う大切なもの

2023-03-31

 「凄いエネルギーですね~。」「目力が凄い!」

 『音楽とウェルネス』や『音楽による気候運動』の講演とか、音楽によるチームビルディングやリーダーシップのワークショップの後、よくこんな感想を頂きます。声も体も大きいからでしょうか。それともやっぱり音楽効果の恩恵を毎日受けている私は、特筆するほど元気なのでしょうか?

 でもそんな私も春うららの今日この頃、のび太君のように居眠りしてしまいます。「笑みを浮かべてずっと目をつぶってたよ。」ズーム会議の後、友人から笑われました。

朝桜・胸いっぱいに・酔いしれて・目覚めりゃ昼飯・浦島マキコ
 
 ハードな行程の日本への弾丸出張から帰ったばかりの時差ボケもあります。でも、演奏旅行はベテランの私。時差ボケ対処法の秘訣は沢山持ってるはずなのです。(例:移動時から次の現地時間に合わせた生活リズム。朝の日光をひざの裏やひじの中側に浴びる。メラトニン服用、など。)今回はちょっといつもの時差ぼけとは違う。夜通し熟睡できている。それなのに日中まばたきする度にそのまま眠りこけたい。

 「年よ、年!」…いやな事を言う友人もいます。しかし、私はちょっと違うと思うのです。

 最近、遅ればせながら音楽の中の静止・静寂のパワーに気が付いた私。椅子に座ったまま日本で堪能した桜の美しさを瞼の裏に確かめて1分、2分と過ごす自分を肯定したいと思うのです。目覚めてすぐ練習や執筆を始めるのとは違って、究極的にはもっともっと自分の音楽性・創造性・人間性に必須なものが、そういう静止の時間に少しずつ育くまれているのではないでしょうか。

 我々は皆、何をそんなに先急いでいたのでしょう。もう二度とあり得ない今この瞬間のあなたと私は、慈しむべき偶然。祝うべき奇跡。愛でるべき運命。そして結局音楽というのは、そういう慈しみや祝いや愛でるという行為の体現なのではないでしょうか?

この記事の英訳はこちらでお読み頂けます。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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