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コラム

受喜与幸 ~受ける喜び、与える幸せ~
vol.68 すべてを与えてくれる天とのパイプ4

2023-02-17

 私はいまでも患者さんを診るまえには祈りを欠かしません。

 「どうか私に力を与えてください」

 そう祈ってから診察室に入っていくのです。それほど私は自分の力に自信がもてないでいます。おのれの無力といつも向かい合っているのです。

 しかし、そんな無力な自分にも、祈りを通じて天と絶えずつながっていることができれば、いつか無力を補う力がもたらされて、少しずつでも事をいい方向へ進めることができると信じています。

 「こんな自分にもできることをさせてください」

 そう願うことで天とのつながりを強く自覚すれば、ちっぽけな自分にも果たすべき役割が必ず示されるのです。

 考えてみれば、私たちが生きていくのに必要最低限のものは、最初からみんな与えられています。足りない、足りないと不満や不平ばかりが多いのですが、「ない」ことばかりに目を向けないで、あらかじめ「ある」ものを数えてみれば、実にたくさんの豊かなものが、多すぎるくらい人間には与えられていることがわかります。

 動かそうと意識しないでも自然に動いてくれる心臓が与えられている。おいしいものを食べる幸福を感じられる味覚も備わっている。酸素を全身に運ぶ血液の循環機能もちゃんと装備されている。

 その酸素をたっぷり含んだ大気が周囲に満ちている。暖かさと安らぎをもたらす太陽の光もふんだんに注いでいる。美しい花を愛(め)でることも、目にあざやかな緑にあふれたきれいな景色を堪能(たんのう)することも、しようとすればいつでもできる。

 深い恵みがあらかじめ、絶え間なく私たちには供給されているのです。すなわち、命は生まれたときから天とつながっていて、その目に見えないパイプを通じて多くの恵みを受け取っているのです。

 だから、そのパイプを切ってしまうとどうなるか。流れはとどこおり、恵みの供給も断たれて、人間という湖は干上がってしまうでしょう。死海のように、生命の生存自体が不可能になってしまうかもしれない。

 ふだんは自分の力に自信があるように見えても、危機にさらされると、驚くほど臆病(おくびょう)になってしまう人のように、断ち切った人間の自力は、天の加護のない真の無力と化してしまいます。

 だから、本当に恐れるべきはただひとつ、天とつながる流れを失うことで、それさえ保持していれば、恐れることなど実は何もないのです。必要なものはすべて、すでに与えられたうえで、私たちの生命はこの世にやってきているからです。

 天や神という言葉は宗教色があって嫌だ……。そういう人もいるかと思いますが、言葉は何であっても、何か大きなものにつながっている意識や自覚、それは人間の心を強く、そして謙虚にしてくれるはずです。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新原豊

新原 豊(にいはら・ゆたか)
1959年東京生まれ。ロマリンダ大学宗教学部卒、同大医学大学院卒。1989年よりUCLAハーバー総合病院にて血液内科と腫瘍内科に所属。ハーバード大学で公衆衛生学修士課程を修了。2005年よりUCLA医学部教授に就任。Emmaus Life Sciences, Inc. 会長兼CEO、EJホールディングス㈱ 取締役会長。Emmaus Life Sciences, Inc. の株式シンボルは、”EMMA” です。




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