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コラム

受喜与幸 ~受ける喜び、与える幸せ~
vol.65 すべてを与えてくれる天とのパイプ1

2023-01-27

 アラビア半島にある死海をご存じだと思います。塩分の濃度がきわめて高い湖で、そのためにここで水浴を楽しむ人はみんな水面に浮いてしまい、沈みたくても沈むことができません。

 また、濃い塩分のせいで生き物が生息することもほとんど不可能であり、死海という名はそこに由来しています。

 なぜ、湖でありながら、それほどまでに塩分濃度が高いのか。理由はいくつかあるようですが、ひとつには気候が暑くて、降水量が極端に少なく、流れ入ってくる水量も流れ出ていく水量もいずれも少量であるからだといわれます。

 つまり、水の代謝(入れ替わり)が少ないうえに、暑さでたくさん湖水が蒸発するので、塩分が濃くなるのです。

 この死海の性質からわかることのひとつは、生きることは流れることだということです。代謝の悪さは生命の生存条件をおびやかすもので、したがって、命は「流れる」システムのうちにいきいきと宿るのです。

 命が生きるには、上から流れてこなくてはいけないし、下から流れ出ていく必要があります。摂取と放出がバランスよく行われなければなりません。入ってきたものをためる一方であったり、ためたものが出ていく一方では生命の存続はあやうくなる。まさに、命は流れるもの、流れるから生きているわけです。

 私は、人の一生も同じだと思うのです。人間という湖には、川上から希望や絶望や、幸や不幸や、喜びや悲しみや、苦しみや楽しみなど、実にさまざまなものが流れ込んできます。

 では、それらは、何のために、どこから流れ込んできて、どこへ行くのでしょうか。私はそれらが天から流れ込み、自分たちもまた周囲に流すようになっていると思うのです。そして、私たちは天につながっているかぎり、私たちに流れ込むものがたとえそれが悲しみや苦しみであっても、それらを自分の中で浄化し、哀れむ心、慰める心として流し出すことができるという祝福を与えられている存在なのだと思うのです。

(次回に続く)


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新原豊

新原 豊(にいはら・ゆたか)
1959年東京生まれ。ロマリンダ大学宗教学部卒、同大医学大学院卒。1989年よりUCLAハーバー総合病院にて血液内科と腫瘍内科に所属。ハーバード大学で公衆衛生学修士課程を修了。2005年よりUCLA医学部教授に就任。Emmaus Life Sciences, Inc. 会長兼CEO、EJホールディングス㈱ 取締役会長。Emmaus Life Sciences, Inc. の株式シンボルは、”EMMA” です。




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