JERCの教育相談Q&A
vol.32 子どもの世界を広げる読書 ~ 学習に必要な抽象言語を習得 ~
2022-11-25
今やITの世界で育つ子ども達、活字の中に浸る世界からどんどん遠ざかっています。本というと学校のテキストを開くくらい、多くの子ども達が読書を楽しまなくなってしまいました。一日に15分でもリーディング・タイムをつくり、本に興味を持てる環境を整えてあげましょう。
幼いころに大好きだった絵本、大人になっても記憶の中に大切にファイルされていませんか?「本」は子どもの世界を広げ、感性を豊かに育む素晴らしい文化であるといえます。
1)読書の効用とは?
① 語彙が増え知識が豊富になる
本を読むことにより、日常生活ではあまり使われない語彙に遭遇することがで きます。話し言葉と書き言葉の相違点、例えば会話では「友達」と言いますが、 文章では「友人」という言葉が使われることがありますね。書き言葉に触れるこ とにより、語彙が増えていくことになります。
また人が生活の周りから得る知識は限られています。いろいろな分野の本を読 んで、知らない世界に飛び込むことで、知識は膨らんでくるでしょう。読書の効 用としてもう一つ
② 抽象的言語の習得
この抽象的言語が習得されていないと、現地校でも小学3年、4年からの学習 が困難になってきます。抽象言語とは目に見えない、手で触れることができない 言語であり、頭の中で理解する言語なのです。これも現実にはあり得ない話、い わゆるおとぎ話や昔話、伝説などの本をたくさん読むことによって習得していき ます。「ももたろう」、「一寸法師」、「さるかに合戦」等など、面白いストーリーの 本をたくさん読ませてあげましょう。読み聞かせもよいですね。
具体的言語から抽象的言語を理解すること、この移行が上手く行われるかどう かが学習していく上で重要なポイントになります。子どもの世界を広げる読書が、 楽しい時間になりますように!!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

