NIKKAN SAN 2021-01-05

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コラム

受喜与幸 ~受ける喜び、与える幸せ~
vol.25 生命は楽しむためにある1

2022-04-14

 生命を維持するための基本条件は何か。そう問われて、読者のみなさんはどんなものを思い浮かべるでしょうか。

 空気と水と食べ物。これがまず三大条件といえましょう。次いで健康、住居、仕事、家族、お金……といったところでしょうか。

 こうした条件を見ていて、ひとつ気づくことがあります。生存のための必要度が高いものほど豊富にあり、その値段も安いという点です。空気はタダで、どこにでも存在しています。(場所にもよりますが)水もタダか、きわめて安い価格で手に入れることができます。

 なくてはならないものほど安く入手でき、以下、必要度が低くなるにしたがって価格が高くなる。入手もむずかしくなる。つまり、生存に必要なものほど手に入れやすいという傾向があるのです。

 このことが示す意味は小さくありません。なぜならそれは、生命にとって地球が「生きやすい」ように環境整備されていること。それも、できるだけ快適に、できるだけ楽しく生きるようにつくられていることの証しであるからです。

 たとえば、人間には味覚が備わっていますが、これも考えてみると不思議な話です。もし、食事が生命維持だけを目的とする行為なら、そこにおいしい、まずいといった感覚は必要ないはずです。

 私たちが「生きるために食べている」だけの存在なら、宇宙食のように必要な栄養分をぎゅっと凝縮した携帯食や丸薬みたいなものをつくって、それを口の中へポイと放り込めば、それで事は足ります。

 あるいは、点滴や胃ろうのような方法で人為的に注入する。そんなやり方でも最低限の栄養摂取は可能です。むしろ、そうした機械的な方法のほうが簡単であり、いずれにせよ、そこに味覚などというよけいなものは不要なはずです。

 もちろん、体に悪影響を及ぼすものを瞬時に「まずい」と感じ、反射的に体外へ吐き出す。そんな毒見の機能、いわばリスクセンサーとして味覚が必要とされるのは確かです。

 しかし有益なものを摂取し、有害なものを排除するだけなら、そのための感覚は「要、不要」とか「快、不快」といった単純なセンサーでよく、やはり、甘い、辛い、酸っぱいといった微妙な感覚を備える必要はないはずなのです。

 ところが、どういうわけか人間の舌にはとても複雑で繊細な感覚が与えられています。そして、その味覚を満足させるためにわざわざ手間やお金をかけておいしい食事をつくったり、食べたりします。

 なぜ、そんなことをするのでしょうか。(次回に続く。)


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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新原豊

新原 豊(にいはら・ゆたか)
1959年東京生まれ。ロマリンダ大学宗教学部卒、同大医学大学院卒。1989年よりUCLAハーバー総合病院にて血液内科と腫瘍内科に所属。ハーバード大学で公衆衛生学修士課程を修了。2005年よりUCLA医学部教授に就任。Emmaus Life Sciences, Inc. 会長兼CEO、EJホールディングス㈱ 取締役会長。Emmaus Life Sciences, Inc. の株式シンボルは、”EMMA” です。




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