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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol.95 ラストナイト・イン・ソーホー

2022-01-21


 日本とは逆で、霊が出る物件は人気が高いと聞くイギリス。その志向は名物として観光にも利用されており、確かにロンドンへ行った際、切り裂きジャックが襲撃した現場や“出る”と噂のウェストミンスター寺院などを巡るゴーストツアーのパンフレットをそこら中で見かけた。
 
 イギリス南西部で祖母と暮らすエリーは、ファッションデザイナーを目指し大都市ロンドンの専門学校へ進学する。寮生活をスタートするものの、意地悪なルームメイトのジョカスタや同級生たちと打ち解けられず、老婆が経営するアパートを借りひとり暮らしを始める。すると、ファッションや音楽が好みで憧れの1960年代ソーホー地区へとタイムスリップし、ゴージャスかつ野心家のサンディという女性とシンクロするような夢を連日見るようになる。シャイなエリーは彼女に影響され、外見も性格も明るく垢抜けていくが、楽しかったはずの夢は次第に悪夢へと変わって行き―。
 
 まんまとミスリードにはまり、最後の最後まで事の真相に気付けず不意を突かれっぱなしだった。主人公エリー同様、1960年代に生きていた美しいサンディに見惚れ、その髪型も華やかなプリーツドレスも素敵、もし売っているのなら着てみたい、そして目まぐるしく変わり流れ続ける当時の音楽も魅惑的と感じた。なるほど、これがミニスカートで一躍有名になったモデル・ツィッギーやファッションブランドのマリー・クワントに代表される“スウィンギング・ロンドン”の文化かと臨場感もあり、まさに夢見心地!と思っていると物語は一転…あとはぜひ御自身の目で確かめご堪能下さい、後悔しないはず、としか言えない。ただスターを夢見てこんな結末を迎えてしまうなんてもったいない、そして今も似たような境遇の才能ある人達も少なくないのではと物悲しくもなった。
 
 ちなみにホラー好きだが心霊スポットには近寄りたくない方なので、再度ロンドンを訪れる機会があってもゴーストツアーには参加しないだろう。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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