What’s Up, 神主さん?
vol.26 お正月は歳神さまをお迎えします
2021-12-24
間もなくお正月。1年があっという間ですね。
日本人は昔から、お正月は歳神(としがみ)さまをお迎えする大切な日として扱ってきました。玄関前に門松を置き、ドアの上に注連飾りを飾り、床の間に鏡餅をお供えしてきました。
門松や注連飾りは、歳神さまをお迎えする準備ができているという印、歳神さまが迷わず入れる目印、依り代(よりしろ)、災いが入ってこないようにするためのものと言われています。注連飾りを自宅内に飾ったり、クリスマス・リースのようにドアに飾ったりする方がいらっしゃいますが、それでは注連飾りの役目を果たせないので、必ずドア枠の上の外の壁につけましょう。
注連飾りや門松を設置する前に大掃除を済ませます。なぜなら、それらは「ここは清浄な場所です」という印だからです。私たち人間も汚れた場所に入るのは気が進みませんし、助力をしようという気持ちも萎えてしまいます。また、清潔な場所を提供するというのは敬う気持ちの表れにもなります。歳神さまが気持ち良く入れる場所を用意しておきましょう。
歳神さまへの感謝の気持ちとおもてなしとして、床の間に鏡餅を飾ります。餅は昔から日本人が神事で供えてきたアイテムです。鏡餅のデコレーションは地方によって異なりますが、概ね次のようになります。三方(さんぼう)の上に紅白の敷紙(四方紅)を敷き、裏白(シダの一種)、紅白の二段重ねのお餅、紅白の御幣、そして一番上に橙です。三方は、穴のない側の胴を壁側にし、折敷(おしき)は継ぎ目のある側を自分の方に向けます。
歳神さまは、新しい年の実りをもたらす神様、農耕の神様、ご先祖様と言われています。新年の開運招福をもたらして下さる神様ですので、大切にお迎えし、旧年中のご加護の感謝を伝え、新年の御利益を祈願しましょう。
アメリカ出世稲荷神社では、リトル東京にある日米文化会館前の年末年始のイベントにブースを出し、12月31日に年越の大祓と除夜祭を、また1月1日に歳旦祭(さいたんさい)を斎行します。年越の大祓をご希望の方は、当神社のウェブサイトhttps://shintoinari.org/2021stoshikoshi-japanese/をご参照下さい。
お祭りのご参列は自由です。また、初詣のご参拝もできます。破魔矢や熊手などの縁起物、お守り、神札の授与もいたします。
新年の開運招福をぜひご祈願ください。皆様のご参拝をお待ちしています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

