What’s Up, 神主さん?
第25回 「年越の大祓」で魂も大掃除
2021-11-26
間もなく師走。2021年も残り約1ヵ月となりました。コロナはなかなか終息せず、今年も心身共にストレスの多い1年となった方も多いのではないでしょうか?
日本では昔から年末に大掃除で自宅や職場の汚れを取り除き、年越の大祓(としこしのおおはらえ)で魂の穢れ(けがれ)を祓って、新年を清々しく迎える習慣があります。
「穢れ」とは、「気枯れ」という意味で、ストレスなどで心身のパワーがダウンしている状態のことです。それを祓い清める(リセットする)ことで心身のパワーのリチャージができるとして、古来より日本人は6月末に「夏越の祓(なごしのはらえ)」、年末に「年越の大祓」を行ってきました。また、祓いをすることで、開運を呼び込むことができるとも言われています。
共存共栄の精神を持つ神道は、この神事で個々のお祓いだけでなく、地域や社会の穢れも祓い清めます。
年越の大祓は、身代わりとなる人形(ひとがた)を使って、ご自身が溜め込んでいる穢れなどを祓って、気力の復活を図ります。アメリカ出世稲荷神社の人形は、古来より伝わる「十種神宝(とくさのかんだから)」の文字が入っているものです。
十種神宝は、私の実家と縁のある物部(もののべ)神社のご祭神の宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)の父神、饒速日命(にぎはやひのみこと)が高天原(たかまがはら)から降臨した際に、天つ神(あまつかみ)から病気や邪気を祓う秘伝と共に授かったとされる十種類の宝、沖津鏡(おきつかがみ)、辺津鏡(へつかがみ)、八握剣(やつかのつるぎ)、生玉(いくたま)、死返玉(まかるかへしのたま)、足玉(たるたま)、道返玉(ちかへしのたま)、蛇比礼(おろちのひれ)、蜂比礼(はちのひれ)、品物之比礼(くさぐさのもののひれ)のことです。
人形のやり方は簡単です。人形に名前、年齢(数え年)、住所を書き、祓ってほしいことを念じ、体の良くなって欲しい部分を、願い事を唱えながら人形でさすり、最後に息を人形に吹きかけます。例えば、肩こりが治って欲しい場合は、「肩こりが治りますように」と言いながら人形で肩をさすります。頭が良くなって欲しい人は、「頭が良くなりますように」と言いながら人形で頭をさすります。良くなって欲しい部分が複数でも構いません。さすって息を吹きかけた後の人形を当神社の社務所まで12月28日必着でご郵送ください。受け取った人形で神主が年越の大祓をご奉仕いたします。
年越の大祓のお申し込みについては当神社のウェブサイトをご参照下さい。
1年間の穢れを祓い、みなさんが清々しく新年を迎え、開運招福のお手伝いができればと思っています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

