What’s Up, 神主さん?
第18回 初午祭とアース・デー地球感謝祭
2021-03-28
3月23日は初午(はつうま)祭でした。
初午祭は、稲荷の神様の御鎮座を祝うお祭であり、その年の豊作を祈願するお祭りでもあります。
「初午」とは読んで字の如く「初めての午の日」。2月に入って初めての午の日のことです。年の干支は現代もポピュラーですが、日にちにも干支があります。安産祈願を戌の日にする習慣があるのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。
稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社は新暦の2月の初午にお祭りをしますが、アメリカ出世稲荷神社とその本社である出世稲荷神社(島根県松江市)は旧暦の2月の初午にお祭りをします。今年は新暦の初午は節分の翌日となった2月3日でしたが、旧暦では彼岸明けと同じ3月23日でした。
旧暦の2月の初午は春分の日に近いことから、農耕民族の日本人にとって種まきの時期でもあり、その年の豊作を祈願する古来のしきたりと重なったお祭りとも言われています。豊穣をもたらす稲荷の神様は、時代の変遷と共に農業だけでなくあらゆる産業の守り神となりました。そうして、この時期、収穫の秋に向けて達成したい目標を神様に伝え、ご加護を受けられるよう、稲荷神社に多くの方が参拝するようになりました。
初午祭に参拝する習慣は古くからあり、『枕草子』や『蜻蛉日記』『今昔物語集』などにも見ることができます。『枕草子』では、著者の清少納言が伏見稲荷大社への初午詣の様子を詳しく綴っています。伏見稲荷大社は、有名な赤い鳥居が並ぶ場所から上は山登りかハイキングのような道です。清少納言は途中で涙が出そうになるほど辛くなったと綴っていますが、それも納得の急な坂道を上がっていくことになります。
清少納言の時代には気候変動の心配はなかったでしょうが、今や、人類の環境破壊により地球は悲鳴を上げています。
アメリカ出世稲荷神社では、今年もアース・デーに地球感謝祭を行います。地球への感謝を一緒に伝え、今後も敬意を払っていくことを再確認する機会にしていただければ幸いです。今、アクションを起こさなければ次の世代は私たちと同じように自然を楽しむことができなくなってしまいます。親子でぜひご参加ください。
「Dear Earthアース・デー地球感謝祭」は、4月22日(木)午後7時から当神社のYouTubeチャンネルにてお祭りの模様をライブ配信いたします。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

