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コラム

ピアノの道
Vol.45  祝日を暖める音楽

2020-11-20

 セントラルヒーティングが当たり前のアメリカに住んでいると、日本の冬場の寒さって忘れてしまいますよね。
 
 鼻の先っぽが冷たくなって、でもお布団の中がぬくぬくの幸せな感覚。トイレに行く時に着ていくためのちゃんちゃんことかを掛け布団の上に用意しておく知恵。とてもじゃないけれど寒い寝室では寝間着を脱げなくて、居間のストーブの前まで着替えを持って走って行って息を切らせながら着替える毎朝の大騒ぎ。
 
 暖房が完備する前の時代の人々の厳寒は思うだけで身震いしてしまいます。同時に、寒さで外に出られない冬、音楽がどれだけの慰みになったろうと思うと、そういう切実な音楽体験がちょっと羨ましかったりも。電気もまだ無い未開地で、暖炉とか焚火とかで暖を取りながら長い夜、そして長い冬を乗り切るための音楽。一緒に肩を組んで歌って踊れば気も晴れるし、心も体も暖かい。
 
 エジソンが蓄音機を発明する前のピアノというのは、暖炉と同じくらい家庭の必需品だったのかな、と更に想像の翼が広がります。ハロウィーン・感謝祭・クリスマス・大晦日・お正月...夜が一番長い時期に家族で集まる行事が続くのも、実は生活の知恵だったのかな。そしてその時、毎年演奏されるシューベルトとかショパンと言うのは、七面鳥の丸焼きと同じくらい、思い出に残る大切な家族の行事だったのかな...
 
 色々な薬品会社の治験が効果90%、94%と、嬉しいニュースが続く中、流通までにはまだまだ時間がかかりそう。そしてその間に第二波でまた感染者の数が急増してきています。今年の祭日は、いつもと違って家族や友人と集まりにくい、静かなお祝いになる方も多いでしょう。音楽を楽しんで思い出に浸り、心も体も暖かくお過ごしください。私もDr.ピアニストとして、音楽とその治癒効果を配信し続けます。

この記事の英訳はこちらでご覧いただけます


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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