What’s Up, 神主さん?
第12回 十五夜と神在月
2020-09-30
秋は「お月見」「十五夜」!
秋の夜長に入るこの時期は、秋の収穫が始まる時期でもあります。中秋の名月と言われるように、澄んだ空に昇る美しい月を観賞し、お供え物をして農作物の恵みを感謝します。太陽の恵みはもとより、人間も含め、生きとし生けるものは全て月の影響も強く受けています。
旧暦の8月15日が十五夜になりますが、今年は10月1日。そしてこの日は満月です(十五夜に満月にならない年もあります)。この夜の満月は欧米ではハーベスト・ムーンと呼ばれています。電気もなかった頃、明るい月光のお陰で日没後も農作物の収穫を続けられるからです。
明日、10月1日は、月光が当たる場所にお供え物を置き、月に感謝の気持ちを伝えましょう。お供え物は、十五夜の月、満月を「望月」ということから、丸く形づくった団子を15個、高く盛り付けます。また、栗やイモなど秋に収穫する木の実や野菜とススキを供えます。ススキは神様の依り代になると考えられています。
さて、昔の暦で10月は「神 無 月」と呼ばれます。でも私の故郷、島根は「神 在 月」です。全国の神々が出雲大社に集まられ、翌年の御縁などを決める会議をすると言われているからです。
この神様会議(神 謀り)では、恋愛の御縁だけでなく、友情、就職などありとあらゆる御縁が決められます。今日、食料品店で会計をしてくれた相手も、明日、散歩中に挨拶する人も、この神謀りで去年、御縁を決められていたと考えるとなんだかドラマティックですよね。神様が良かれと思って作ってくださった御縁。自分の人生に役立てて下さい。
こうしてこのコラムを読んで下さっている読者の方も、「これも何かの御縁」ですので、人生を豊かにするお役に立てれば幸いです。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

