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コラム

What’s Up, 神主さん?
第9回 夏越之祓と茅の輪神事(後編)

2020-06-24

 昔から日本人は、6月の終わりに夏越之祓を行う慣習があります。これは、半年の間に気づかないうちに作ってしまった罪や穢れ、また病気・事故・ケガ・争いなどの厄難を祓い清め、次の半年を心身共に健康で過ごせるよう祈願するものです。
 
 「穢れ」とは「気が枯れる」という意味で、本来持っている「気」がストレスなどで「枯れて」(くたびれて)パワーがダウンしている状態のことです。

 前回は夏越之祓で使う人形についてご紹介しました。今回は、茅の輪についてです。日本にいた頃に巨大な茅の輪をくぐった方もいらっしゃるかと思います。古来日本では、夏を迎えるこの時期、疫病が流行ることが多かったので、厄払いと無病息災を願って茅の輪くぐりが行われるようになったと言われています。
 茅の輪の由来は神々が姿を現していた時代に遡ります。

 旅をしていたスサノオの命は、ある晩、一夜の宿が必要となり、その村で一番裕福な人物、巨旦将来を訪ねますが、断られます。

 そして、巨旦将来の兄で貧乏な蘇民将来を訪ねると、彼は丁重にスサノオの命を迎えました。そこでスサノオの命は御礼として蘇民将来に茅の輪を作るよう伝えます。

 スサノオの命が去ってしばらくしてから村で疫病が流行り、茅の輪を身につけていた蘇民将来の娘以外は全員死んでしまいました。生き残ったその娘の前にスサノオの命が現れ、「今後、疫病が発生したら、『蘇民将来の子孫だ』と言って、茅の輪を腰に着ければ、これから先も疫病の難を逃れられるだろう」と伝えたそうです。そうして、人々が茅の輪を厄難除けとして身につけるようになりました。大きな茅の輪をくぐるようになったのは江戸時代の頃からと言われています。

 昨年は茅の輪くぐり(写真)と夏越之祓のお祭りを一般参拝も受け付けて行いましたが、今年はコロナウィルスの影響により社務所にて神事を行い、その模様をYouTubeライブ配信することになります。

 夏越之祓の人形と申込用紙をご希望の方は、contact@shintoinari.orgにお問い合わせいただくか、当神社のウェブサイト(ShintoInari.org)よりダウンロードください。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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NPOアメリカ出世稲荷神社(ShintoInari.org) 宮司 はせがわいずみ

世界で唯一の神主兼ハリウッドの映画ジャーナリスト。取材したセレブは、のべ1万人以上。実家は島根県にある出世稲荷神社。NHKなどのアナウンサーを経て渡米。スターのインタビューと写真を各国に配信する通信社を経営。WhatsUpHollywood.comの編集長や、島根県庁の古事記紹介サイトJapaneseMythology.jpの編集長を務める。神道コメンテーターとしてヒストリー・チャンネルに出演。アマゾン・プライムのドラマ『高い城の男』の神道コンサルタントを担当。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。松江市観光大使。ロサンゼルス記者クラブ国際コラムニスト賞受賞。著書:ドラマ『24』の公式ガイド本『メイキング・オブ・24 -TWENTY FOUR-』(竹書房)。Instagram @IzumiHasegawa




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