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コラム

来夏の映画観ようよ♪
vol.68 ミッドナイトスワン

2020-10-15


 ターコイズブルーやミントグリーン、オレンジと、今や何十色ものバリエーションがあるランドセル。しかし、30年前は女子は赤、男子は黒と決まっており、それは暗黙のルールではなく強制だった。赤が好きでなかった自分は「絶対に黒がいい!」と押し通し、在学中は皆から奇異の目で見られていた。

 新宿、歌舞伎町。男性の体に生まれながらも幼い頃から心は女性だった凪沙(なぎさ)は、唯一自分を飾らずありのままの姿で生きられる職場、ニューハーフのショーパブで同じ境遇の仲間たちと働き、いつか性転換手術を受けるために貯金をしていた。ある日、広島にいる実家の母から電話がかかってきて、従姉妹に育児放棄された一果(いちか)という女の子を短期間でいいから預かって欲しいと頼まれる。凪沙は渋々ながら承諾し、一果と共に生活を始めるのだが…。

 それぞれ理由こそ違うものの、世間から疎外されてきた2人が不器用にも歩み寄って行く姿。そしてある件で泣きじゃくる一果を凪沙が「私達みたいな者は、ずっとひとりで生きていかなきゃいけない、強くならなきゃいけないんだよ」と諭し、強く抱きしめる場面...社会に虐げられてきた立場の彼女だからこその厳しくも愛ある言葉が心に突き刺さり、涙無くしては見られなかった。

 日本ではニューハーフという和製英語が広く浸透し、全国の繁華街に劇中のようなショーパブが存在する。20代の頃初めて訪れた際は、メイクや髪型を含め何と言っても仕草、言葉遣いに色気があり、素敵なお姉さん達だなぁと感じた。また、恋愛相談をすると「そんな男やめておきなさい!」とお叱りを受けもしたが、劇中の凪沙のように少しトゲのある言葉とは裏腹に不思議と優しさ、愛情を感じたものだ。不当な差別を無くすのが難しいのは昨今よくわかったが、数年内には彼女達の居場所がどこにでもある、もっと自由な世界になっていればと思う。
 日々、たくさんのしがらみに囚われて自分らしい生き方が出来ていないと感じている全ての人に見て欲しい。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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加西来夏

職業:旅する映画ラヴァー。映画の聖地であり、年中カラっとした最高の気候…世界中を旅しているけど、やっぱりL.A.が大好きです。年間視聴映画100本以上、訪問39ヵ国~。好きな言葉は“世界は驚きと奇跡に満ちている”。ご意見はkasai.laika@gmail.comまで




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