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コラム

キム・ホンソンの三味一体
vol.141 私達の間にある天国 パートⅡ

2020-09-24

 キリスト教では2つの天国があると教えられています。一つ目は死後に行くところとしての天国、そして、二つ目は生きている間に経験する天国です。イエスはこの天国をあるぶどう園とその主人にたとえました。

 あるぶどう園の主人が午前6時に街の広場に出かけていって立っていた労働者を雇って自分のぶどう園に送ります。約束した賃金は1デナリオン。当時の日雇いの相場でした。その後も主人は何度も広場に行き人を雇いました。そして、午後6時に労働者全員を集めて、午後5時に来た者から午前6時に来た者まで順番に1デナリオンずつ賃金を支払いました。すると、朝一から働いた者達が「一時間しか働いてない連中と同じ扱いか」と抗議します。たとえは、主人が「約束した通り支払ったではないか。私は最後に来た者にも同じように支払ってやりたいのだ」と答えるところで終わります。

 朝一から働いた者の視点から見ればこの雇い主がやったことは確かにひどいものです。しかし、彼らも後に来た者達と同額の1デナリオンをもらう時までは、実はハッピーでした。彼らは、真っ先に雇われた時点ですでに、今日も家族を養う事が出来るという保証を得て安心し喜んでいたのです。それは、今日は雇われずに、妻や子供達がお腹を空かして待つ家に、手ぶらで帰ることになるかも知れないと、焦りと絶望に押しつぶされそうになりながら、夕方まで立っていた人々には決してなかった安心と喜びでした。

 イエスの教えるこの世の天国は、神の恵みと愛がすべてに勝って支配するところです。個々人の能力や力、出来・不出来など、あらゆる条件とは全く関係のないところから、神の自由な恵みとして救いが与えられるところです。夕方の5時まで焦りと絶望に押しつぶされそうになりながら立っていた一人の労働者を憐れむぶどう園の主人(神)の視点。私達がその視点に立つ時、社会の中で小さくされて隅に追いやられがちな弱い人々、虐げられて悲しんでいる人々の痛みに寄り添い、共に泣き、共に笑う時、私達は天国を生きているのだとイエスは教えます。国々が、またはそれぞれの市民同士が、自己利益と自己主張のために衝突し分裂した今のような時代において、この「天国」こそ私達が目指すべきところではないでしょうか。

 毎週日曜日の午後3時からズームでの礼拝があります。ご興味のある方は是非メールでお申し込みください。 khs1126@gmail.com


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後、ケンタッキー州立大学の大学院に留学し、1999年からロサンゼルスのリトル東京サービスセンターでソーシャルワーカーとして働く。現在、性的マイノリティーをはじめすべての違いを持つ人々のための教会、聖霊の実ルーテル教会 (Torrance) と復活ルーテル教会日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)を兼牧中。

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