Nikkan SAN

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コラム

キム・ホンソンの三味一体
vol.140 失うことで得るもの

2020-09-10

 日本で十代のほとんどを過ごした私は、日本の学校にとても良い思い出がたくさんあります。先生や同級生らも皆優しくてその時の級友とは35年が過ぎた今でも連絡をし合っています。しかし、一つ後悔していることがあります。それを思い起こさせてくれたのは先日見たテレビニュースのある場面でした。Black Lives Matterのデモ隊とそれに反対する集団が激しく衝突する中、BLMのデモ隊の中にいた白人男性に対して、反対集団の白人男性らが激しく罵声を浴びせていました。周りの音が騒がし過ぎてあまりはっきりとは聞き取れなかったのですが、同じ白人のクセにそっちについて恥ずかしくないのか、といった類いのことを言っていたと思います。
 
 実は、中学校の時クラスでイジメがありました。最初は軽いいたずらから始まったのですが、いじめっ子のイジメは段々とエスカレートしていじめられっ子が精神的におかしくなってしまうほどになりました。時々、そのいじめっ子は自分と一緒にイジメに参加するように周りに声をかけたりしたのですが、その時などは絶対に目を合わせないようにして隠れていました。黒人の人々の間に立っていたその白人男性の厳しい目は、私に対して「どうしてあの時、イジメを止めろ、と声をあげなかったのか」と問うていたような気がします。自分も一緒にいじめられるのではないだろうか、と怯えて自分を守るために何もしなかったその時、私は守ろうとした「自分」を失って、「自分」が嫌いになっていたような気がします。
 
「私について来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、私に従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。」人類を救うために自ら十字架にかかって死んだイエスは、「自分を捨てて自分の十字架を背負ってついて来なさい。自分の安全、心地よさ、お金、体面を守るために不義に立ち向かわないのであれば、その『自分』は、もはや命と喜びに満たされることはない。」と教えています。自分自身が本当に命に満たされる時というのは、イエスに倣って誰かのために自分の一部を失うリスクを負って歩む時であると、「イジメは止めろ!」と叫ぶ時であると、14歳だったあの時の自分、これまでの自分、そして、これからの自分に言い聞かせたい今日この頃です。

 毎週日曜日の午後3時からズームでの礼拝があります。ご興味のある方は是非メールでお申し込みください。 khs1126@gmail.com


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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キム・ホンソン

牧師、コラムニスト、元ソーシャルワーカー、日本人の奥さんと3人の子供達に励まされ頑張る父親。韓国ソウル生まれ。中学2年生の時に宣教師であった両親と共に来日して滋賀県近江八幡市で過ごす。関西学院大学神学部卒業後、兵役のため帰国。その後アメリカの大学院に留学し、1999年からリトル東京サービスセンターのソーシャルワーカーとして働く。現在、聖霊の実ルーテル教会(Torrance)と、復活ルーテル教会・日本語ミニストリー(OC, Huntington Beach)の牧師を兼任中。 2008年8月30日、リトル 東京日韓ハーモニーコンサート主催を発端に、ロサンゼルスの日系と韓国系の交流と理解のための草の根運動にも取り組んでいる。

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