What’s Up, 神主さん?
第8回 夏越之祓と茅の輪神事(前編)
2020-05-27
昔から日本人は、6月の終わりに夏越之祓(なごしのはらえ)を行う慣習があります。これは、半年の間に気づかないうちに作ってしまった罪や穢(けが)れ、また、病気・事故・怪我・争いなどの厄難(やくなん)を祓(はら)い清め、次の半年を心身共に健康で過ごせるよう祈願するものです。
「穢れ」とは「気が枯れる」という意味で、本来持っている「気」がストレスなどで「枯れて(くたびれて)」パワーがダウンしている状態のことです。
夏越之祓は、身代わりとなる人 形を使って、ご自身が溜め込んでいる穢れなどを祓い、気力の復活を図ります。アメリカ出世稲荷神社の人形は、古来より伝わる「十種神宝(とくさのかんだから)」の文字が入っているものです。
十種神宝は、私の実家と縁(ゆかり)のある物部(もののべ)神社のご祭神の宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)の父神、饒速日命(にぎはやひのみこと)が高天原から降臨した際に、天(あま)つ神(かみ)から病気や邪気を祓う秘伝と共に授かったとされる十種類の宝 ー 沖津鏡(おきつかがみ)、辺津鏡(へつかがみ)、八握剣(やつかのつるぎ)、生玉(いくたま)、死返玉(まかるかへしのたま)、足玉(たるたま)、道返玉(ちかへしのたま)、蛇比礼(おろちのひれ)、蜂比礼(はちのひれ)、品物之比礼(くさぐさのもののひれ)ー です。
人形のやり方は簡単です。人形(ひとがた)に名前、年齢(数え年)、住所を書き、祓ってほしいことを念じ、体の良くなって欲しい部分を、願い事を唱えながら人形でさすり、最後に息を人形に吹きかけます。
例えば、肩こりが治って欲しい場合は、「肩こりが治りますように」と言いながら人形で肩をさすります。頭が良くなって欲しい人は、「頭が良くなりますように」と言いながら人形で頭をさすります。良くなって欲しい部分が複数でも構いません。さすって息を吹きかけた後の人形を郵送するか、お祭りの前に神社のスタッフに渡します。当神社では、受け取った人形で神主が夏越之祓の秘伝の神事を行います。人形については6月1日の月次祭(つきなみさい)YouTubeライブ配信(チャンネル名ShintoInari)でもご説明します。
また、夏越之祓では、茅(ち)の輪(わ)くぐりの慣習もあります。茅の輪くぐりについては次回ご紹介しますね。
夏越之祓の人形と申込用紙をご希望の方は、contact@ShintoInari.orgまでお問い合わせいただくか、当神社のウェブサイト(ShintoInari.org)よりダウンロードください。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

