What’s Up, 神主さん?
第6回 春祭り
2020-03-25
国府田ファームでのお祭り(Photo by Richard Fukuhara)
季節感のあまりないロサンゼルスでもこの時期、文字通りの三寒四温を体験します。サンタアナの風で気温が摂氏28度くらいまで上がったと思ったら、翌日には肌寒い風と雨で18度まで下がります。そしてまた25度くらいまで気温は上昇。そうして、部屋の暖房を付けなくても良い日が多くなっていきます。アレルギーを持っている人は、くしゃみや鼻水により春の到来を実感するかもしれません。
雪解けと共に冬眠を終えた動物たちが里に姿を見せるようになり、植物の活動も活発になるこの時期、神社では春祭りを行います。
秋祭りで実りを感謝するように春祭りは実りを願い、その年に達成したいこと、決意を神様に伝えます。
「お米がたくさん実りますように」「健康に過ごせますように」「売り上げが伸びますように」「学校で友達ができますように」「バスケットボールの試合に勝てますように」「子どもと一緒の時間が増えますように」「この夏に起業します。スムーズに運びますようご助力ください」などなど……。
誰かにお願いをするとき、会っていきなりお願い事を言う人はいないでしょう。また、礼儀として手土産を渡すでしょう。神社のお祭り・ご祈願も同じです。
手水とお祓いで心身を清めた後、お供えをし、感謝の言葉の後に祈願や決意を伝えます。
アメリカ出世稲荷神社では、春と秋にカリフォルニア中部にある国府田ファームにてお祭りをご奉仕しています。この時期は、五穀豊穣・安全祈願の春祭りを社屋の前の広場で行うほか、広大な水田のあぜ道に祭壇を設け、そこで育つお米を食べる人達に健康と開運招福がもたらされるよう水田の清祓の後、お祭りをご奉仕ししています。そして、秋には実りを感謝する秋祭りを行います。(この水田で実ったお米はBlessed Rice開運招福米としてご希望の方に授与しています)。
五穀の実りは、自然の恵みです。土、水、太陽、風の調和の恩恵です。自然の力=神々に感謝し、願いを伝えるお祭りは、日本人が太古の昔から行ってきた慣習です。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

