旅は呼んでいる。
vol.40 長野県 ~長野市近郊~
2019-12-26
この一年で無類のそば好きになった。きっかけは長野県だ。長野へは、以前勤務していた会社の付き合いで軽井沢でゴルフをし、添乗員時代は東京から戸隠神社へ日帰りバスツアーの仕事をしたこともあるが、そばの真の美味しさを知ったのは今年になってからだった。
戸隠そばー岩手県の“わんこそば”、島根県の“出雲そば”に並ぶ日本三大そばのひとつで、特徴的なのは“ぼっち盛り”といい、ざるに束で盛り付けられている点と、そばの香りと味わいが非常に豊かな点だ。今回は“そばの実”というお店で天ざるを頂き、つゆではなく岩塩で食べるという新鮮な経験をした。そして、これがまた地酒によく合うのだ(長野といえば、フランスのマクロン大統領もおかわりしたと報道されたほど美味しいワインの産地でもあるが、日本酒も外せない)。
また、神社仏閣が好きな人間にはたまらない、日本神話に出てくる天岩戸が飛来したという伝説を持つ戸隠神社が側にあり、さらに近くには“鏡池”という山々と緑に囲まれた美しい絶景ポイントもある。暖かい時期に行ったので青々とした景色も良かったが、紅葉も見てみたくなった。
絶景といえばもうひとつ!ハワイ島のマウナケア山で見た以来の素晴らしい雲海が広がり、久しぶりに感動したのが竜王山頂にある“SORA terrace”。雲海を見られる確率も六割以上と高めで、サンセットめがけて行くのがおすすめ。
途中、栗の名産地として有名な小布施町にも寄り、程よい甘さの上品なモンブランや栗どら焼きをつまみ、“桝一市村酒造場”ではカウンターで気軽に何種類もの日本酒を有料試飲できて大満足。ちなみに、ここ小布施には江戸時代、“富嶽三十六景”で有名な葛飾北斎も訪れ作品を描いたそう。これだけ素敵な自然のある長野なら、題材もたくさん見つかるだろうと納得した。
長野市近郊だけでも、戸隠神社や善光寺はもちろん、冬に野生の猿が暖を求めて温泉に浸かる姿が可愛らしい“地獄谷野猿公苑”もあり、満喫するなら三泊以上必要かもしれない。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

