What’s Up, 神主さん?
第1回 七五三は「感謝」をする日
2019-10-24
初めまして。神主兼映画ジャーナリストの、はせがわいずみです。今回から始まったこのコラムでは、日本の伝統文化や慣習、神話などをご紹介していきます。
もうすぐ11月ですね。11月と言えば、七五三! 七五三は「着物を着て写真を撮る日」ではないですよ。こどもの成長を感謝し、更なるご加護をご祈願するために晴れ着(着物)を着て、「神社にお詣(まいり)をする日」です。「着物」「写真」は言ってみれば付録。この日のメインは「神々への感謝」だというのを忘れずに。
日本人は昔から、数え年で三歳(男女とも)、五歳(男子のみ)、七歳(女子のみ)の11月15日(もしくはその前後)に家族で神社にお詣してきました。この慣習は、髪を伸ばし始めた三歳の「髪置(かみおき)」、男の子が袴を着け始めた五歳の「袴着(はかまぎ)」、女の子が付け紐の着物から帯で結ぶ着物に替えた七歳の「帯解(おびとき)・紐落(ひもおとし)」の儀式に由来しています。(※数え年は、生まれた年を1とカウントします)。
また、七歳まではまだこの世に命が定着していない不安定な状態で、神々の庇護のもとにある「神々の子」と考えられていました。七歳になってようやく人間の仲間入りをしたと考えられ、神社にお詣し、健やかなる成長を祈願しました。
11月はまた、秋祭りのシーズンです。日本では昔から、収穫を感謝する秋祭りを行ってきました。その年に得た実りや繁栄、ご縁を自然の神々に感謝し、来年の開運招福を祈願します。神々を「お祀り」して感謝と願いをするイベントだから「お祭り」と言います。感謝と祈願の神事があってこそ「お祭り」なんです。そして、「お祭り」は、自然への敬意と感謝を再確認する(思い出すきっかけ)という役割もあると言えます。
遙か昔から日本人が代々受け継いできた伝統文化・慣習が急速に失われつつある昨今。私達の世代で消滅させてしまうのか、次の世代に伝えていくかの選択の時期が来ているのではないでしょうか。
アメリカ出世稲荷神社では、秋祭りと七五三詣を11月10日(日)に行います。自然の力に感謝し、次の世代に伝えるきっかけにしてください。
詳細は当神社のウェブサイトShusseInariShrine.orgをご覧下さい。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

