来夏の映画観ようよ♪
vol.36 アベンジャーズ/エンドゲーム
2019-06-06
パソコンから映画館の座席指定など出来ず、いい席を取るには上映時間よりもかなり早くから並んでいた二十数年前。特に記憶に残っているのが、二十世紀初頭に沈没した豪華客船を舞台に身分違いのロマンスを描いた“タイタニック”で、文字通り長蛇の列だった。そんな歴代二位の興行収入を誇るタイタニックを短期間で軽々と超えたのが、この“アベンジャーズ/エンドゲーム”だ。
前作“インフィニティ・ウォー”では…最凶かつ最強のパワーの持ち主サノスは、全生命の半分を消滅させることにより資源の枯渇を防ぎ、今後も宇宙を存続させるべきという極端な思想を抱いていた。彼と忠実な部下達は、その野望を叶える六つの『インフィニティ・ストーン』という、特別なエネルギーを持つ石を探し求め、ついに地球に現れる。アベンジャーズは徹底抗戦するも敗北を喫し、メンバーを含め、サノスの望み通りの最悪の展開となってしまった。だが、悲嘆に暮れ五年が経過した頃、失った者達を取り戻せるのではないか?という一筋の光が偶然にも差し込んで来て…。
前回も述べたが、何せマーベル作品には疎い。しかし、一連のシリーズの最終回、集大成ともいえる本作は、やはり記録的なヒットなだけあり、大いに観る価値アリ!と感じた。名だたるヒーロー=ハリウッドスター達の大競演はもちろん、壮大な構成-宇宙モノと北欧神話、魔術の世界、現代テクノロジーなど、一見相容れなさそうなジャンルが上手く噛み合って、納得出来る世界観になっているのである。また、アクションの見せ場もあるのだが、物語の根源には『トロッコ問題』(誰かを救う為に、別の人を犠牲にしていいのか)に近いような、ある種道徳的な問題も含まれており…ヴィランであるサノスが絶対悪とは決めつけられず哀愁を感じてしまった。
個人的には、トム・ヒドルストンが演じたロキの、神話そのままのトリックスター的な見せ場と、真田広之の、とある役が推し!二人の演技をもっと長く観ていたいと思う方も多いはず。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

