編集部
初代 川柳 生誕300年記念 ⑤ 十六代宗匠 尾藤川柳が初来羅!!
2019-05-01
すこしつかれてあたたかい色になる
十六代 川柳
5月18日、「十六代 尾藤川柳氏を囲むゆうべ」(パイオニア川柳吟社後援)がトーレンス市で開催される。
川柳嗣号者がアメリカで講演するのは、川柳史上、今回が初めてのこと。
講演会に先駆けて、十六代川柳氏に書画一体について聞いた。
ー川柳を、絵や写真と一つの作品にしていますが、これを作り始めたきっかけは。
四十代になり、川柳家としてある程度の立場ができ、著述などを持つようになると、「先生」などと呼ばれるようになります。
「先生、ぜひご著書にサインをしてください」とか「色紙を書いてください」などという注文が出てきます。文字が下手なことを気にしていた私にとって辛いことでした。
「四十の手習い」という成語もありますので、思い切って書家の先生に入門しました。すると、いきなり清朝の可子貞の隷書の手本を与えられました。
「先生、楷書から教えてください」と泣き言をいうと「一泉さん、四十過ぎから遅く書道を始めて、楷書からだと一生掛かっても楷書から出られないわよ。あなたは、絵を描くんだから、白い紙をキャンバスだと思って、墨の明暗だけで絵のようにイメージして書いてみなさい」という指導を受けました。嬉しい導きです。
もう一つ、古い川柳家の嗜みとして「詩吟書画刻」というものがあります。
「詩」は、我々にとっては川柳。「吟」は、川柳を老々と読む作法。「書」は、川柳を染筆すること。「画」は、染筆に絵を添えること。そして「刻」は、自ら雅印を刻って、作品に押すことです。
それなら、色紙作品でも、書画一体にしたら面白いし、また、最近のツールを利用すれば写真と川柳の一体化も新しい表現になりそうです。
字が下手なことから逃げるために書画一体を導入するのも個性と思いました。
十六代目 櫻木庵 尾藤川柳 氏 略歴
祖父、父ともに川柳家。15歳より川柳を始め、昭和56(1981年)に十五代目・脇屋川柳氏に師事。平成29(2017年)に十六代目川柳を襲名。川柳を学問としても伝える。川柳学会を創設。朱雀洞文庫を創設。川柳講座、著述、公募川柳の選者等、幅広く活躍中。著書多数。
十六代 尾藤川柳氏を囲むゆうべ
◆柳話:川柳の楽しみと文化・北斎170年/川柳とは(発祥と文芸理念、「川柳260年」)/初代川柳と川柳の三恩人について/葛飾北斎と川柳(北斎の目は川柳で研ぎ澄まされた)/アメリカの川柳(日本での照会映像)/川柳の楽しみ(生きた川柳のために)
◆お題:「つなぐ」(興味がある人は三句作って持参。持参しなくても参加可能)
◆日時:5月18日(土)5pm~7pm
◆参加費: $10
◆会場: Redac Gateway Hotel, Torrance
20801 S. Western Ave., Torrance, CA 90501
◆お申込&お問合せ先:
310-257-9440(石口)310-828-4734(宇都)
◆十六代川柳氏ウェブサイト:ドクター川柳
www.doctor-senryu.com
◆フェイスブック:
@senryu.bitoh
(つづく)
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

