来夏の映画観ようよ♪
vol.28 バンブルビー
2019-01-17
「おかあさん、うちのくるまもロボットにへんしんする?」
「そうねぇ、今は無理だけどそのうち変身してくれるかもねぇ」
映画を観ながら、幼い頃に母と車中で交わした会話をぼんやりと思い出していた。
遠い宇宙に存在する惑星サイバトロンでは、ロボットの形をした金属の生命体“オートボット”と“ディセプティコン”という二つの種族がおり、互いに争っていた。激戦の末、オートボット側のB-127と呼ばれる一個体が避難するため地球へ送り出される。1987年のサンフランシスコに無事着陸したものの、敵対するディセプティコンの追手により破壊され記憶や喋る機能を失い、近くにあった黄色のビートルに一時的に≪トランスフォーム≫し身を隠すことに。ある日、事情を知る由もないチャーリーという少女が偶然その黄色いビートルを見つけ乗ることになるが…。
見所は、もちろんタイトル通り≪トランスフォーム≫自体の格好良さに尽きる!ロボット達が次々とF-4戦闘機やヘリコプターに、また、プリムス・GTXやAMC・ジャヴェリンといった素人でも感動するほど魅力的なマッスルカーに、秒速で、しかも華麗に変身していくのだ。また、家族との関係があまり上手くいっていない主人公チャーリーと、一人ぼっちで地球にたどり着いたバンブルビーとの手探りの交流の中で生まれた確かな友情に心が温まる。だからこそ、最後のシーンではホロリとしてしまうのだが、なるほど、こうしてシリーズ第1作目に繋がっていくのだなと、感慨深く思えるはず。
そういえば、どうもバンブルビーの姿かたちに妙な懐かしさを覚えるなと感じていたら、かつて日本でアニメ版が放映されていたのだった。そして、その頃母とよく乗っていた車を手放した際に、愛着が湧いていたので寂しく、思わず泣いた記憶がある。意思疎通の出来ない普通の車でも家族のような存在だった。映画を観たせいか、15年間乗っている我が家の車が最近壊れかけてきているのが余計気がかりになった次第である。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

