あんな家こんな人
vol.20 大晦(おおつごもり)
2018-12-20
この原稿を書いている画面の脇から、どんどんEメールが届く。来年の運気を調べてほしいという内容なのは、開けなくても予測がつく。毎年クリスマスソングが流れる頃になると、来年の運気が気になってくるのは、皆同じらしい。
「来年も変わらず良い年に違いない。」「来年こそ何も起こらずに平和に過ごしたい。」皆さんの様々な期待の中で、私は、年越しの準備を横目で気にしながら、ひたすら依頼者の運気を調べているうちに、毎年大晦日を迎えてしまいます。
さて、年末のごあいさつの定番に「よいお年をお迎え下さい。」というのがあります。
この「よいお年」というのが「いい新年」ではないことをご存知でしょうか?
『お年』は、『歳徳神としとくじん』という神様なんだそうで、年神としがみ、正月様とも言い、一年の福徳をつかさどる神と云われています。つまり「良い(お迎えの準備をして)、年(徳神様)をお迎え下さい。」というのを簡約して、「よいお年をお迎え下さい。」というご挨拶文にしているのだそうです。
大掃除で家を清め、お供え用にお餅をつくのは、神様のお迎え準備の為、そして大晦日の晩にお寺や神社に詣でるのは、1年の過ちや心身の穢けがれを払うのが目的なのだそう。
知ったからには、今年から、決して「◯◯できますように。」なんて神様にお願いしないで下さい。
心厳おごそかに新年を迎えれば、きっと来年は良い年になることでしょう。
私にとって、もうひとつの大晦日の想い出は、幼い頃、毛糸帽をグイッと被せられ、父と出かけた暮れの買い出し。人の熱気と鍋の湯気や炭の煙で上の方がモヤモヤと白く靄っていた市場の情景です。
「来年もいい年になりますように。」とドラゴンゴッドはあなたと、あなたのお住まいの風水をお調べします。本誌ご持参下さい。全鑑定料を半額に。
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昨冬、雪の会津若松へ風水鑑定に訪れた際、購入した15cm程の三方さんぽう。今年は、ミニ鏡餅と一緒に小さなオレンジをのせよう。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

