来夏の映画観ようよ♪
vol.15 ジュラシック・ワールド/炎の王国
2018-07-05
日本では、夏の風物詩でもある恐竜博。あくまで推測だが、1993年7月に公開された“ジュラシック・パーク”が大ヒットしたことにあやかり『夏は恐竜の季節』として催されるようになったのではないだろうか。夏休みのレジャーや小学生の自由研究の一環として確かに最適だ。かくいう筆者も一作目から恐竜の虜であり、未だに夏は嬉々として国立科学博物館や、旅先で自然史博物館に行くのだが。
ジュラ紀や白亜紀、数千万年以上前の地球は恐竜達が支配する楽園だった。恐竜の復活に情熱を燃やす富豪が、琥珀に閉じ込められた蚊から彼らのDNAを採取して現代に蘇らせることに成功し、さらに様々な品種を量産してイスラ・ヌブラルという隔絶された島に恐竜テーマパーク『ジュラシック・パーク』を建設する。人間の欲深さと恐竜達の暴走によりパークは壊滅したものの、二十数年後、同じ島に新たに『ジュラシック・ワールド』を開園してしまう。パークは以前と同じ道を辿り閉鎖されたが、恐竜達は生き残っていた。しかし、島では火山噴火の兆候が見られ、彼らを救済するか、或いは見殺しにするかで世論は揺れていた―そんな中、前作でパークの管理者だったクレアと、かつてヴェロキラプトルを調教していたオーウェンは、恐竜達を保護しようと島へ向かう。
迫り来る溶岩流とあちこちから飛んでくる噴石、さらに新登場インドラプトルやバリオニクスなどの肉食恐竜に襲われるというダブルの恐怖に冷や汗が止まらない!なお、恐竜好きとして嬉しかったのはスティギモロクが大活躍してくれたこと。堅頭竜類という種類で、とにかく造形が可愛らしいのだ。だが、人間によって蘇らせられ、人間によって再び地球上から滅ぼされるのか…と考えさせられる場面が多々あり、否が応でも人間の飽くなきエゴを感じた。
もちろん生の恐竜は見てみたいが、アニマトロニクスや博物館の骨格標本で十分。本シリーズはいつも、恐竜を堪能するだけでなく生命に対する倫理観とは何かを教えてくれる。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。