来夏の映画観ようよ♪
vol.14 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
2018-06-14
遠い昔。“I love you.”と言われ“I know.”と即答したら、怪訝な顔をされ気まずい沈黙が流れた。相手はスター・ウォーズを観たことがないようでハン・ソロとレイア姫の名シーンを知らず、単に傲慢な女だと思われたのだった。
本作は、シリーズの中でも圧倒的人気を誇るアウトロー、ハン・ソロの半生を追うもので、時系列としてはエピソード4より少し前に当たる。パイロットに憧れる若きハンは、宇宙船造船業で名高い惑星コレリアで恋人のキーラを連れて地元のギャングから逃げていたが、運悪く彼女と引き離されてしまう。救出を誓いつつ、追手をかわそうとカモフラージュのため帝国軍に入隊した彼は、そこでプロの泥棒ベケットやパートナーのヴァル、そしてチューバッカらと出会い、高価な宇宙船燃料である“コアクシアム”を盗みひと儲けしようと、惑星ヴァンドア1へと飛び立つ―。
悪友ランド・カルリジアンからミレニアム・ファルコンを手に入れたいきさつ、チューバッカがなぜハンの生涯の友となったのか、これまで明かされなかった過去が期待通り丁寧に描かれ、『正統なスピンオフ作品』といったところ。初登場のキャラクターも魅力的だ。キーラはタフで美しく、それでいて謎めいておりボンドガールのような存在感!ハンが惚れるのも納得で、今後どのような活躍をしてくれるのか早くも期待が高まる。さらに、ドロイドのわりに我が強いL3-37とランドの絆には、不覚にも泣いてしまった。また、“自分以外は誰も信じるな”と戒めの言葉を残したベケットの生き様は、ハンが一匹狼を好む理由の一つになったのかもしれない。
映画を見終えてすぐ、もう何度目だろう、シリーズを最初から見始めてしまった。さて余談だが、冒頭の彼とはダース・ベイダーやオビ・ワンのフィギュア、おびただしい数のペプシのボトルキャップがクローゼットに眠っていることを知られる前に別れた。その後彼がスター・ウォーズを観たのか、気になるところではある。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。