キム・ホンソンの三味一体
vol94 7歳児の娘に救われる
2018-02-22
今年のインフルエンザは中々手強いもので、予防接種を受けていてもかかってしまうことが多いようです。実はうちの家内もインフルエンザにかかり、五日ほど寝込んでしまいました。高熱と身体の節々が痛い上に咳もとてもひどくかわいそうでした。五日間の間、家内の看病をしながら自分なりに色々なことを考えさせられました。特に自分という人間の小ささというか、愛の希薄さがよく分かったような気がしました。
一日目。昼過ぎに家内から連絡があり、身体の具合が悪くて仕事を早退して家で休むので子供達3人のピックアップを頼むと言われました。子供達と家に帰ってみるとやはりすごい熱を出して寝ていました。看病をしながらとてもつらそうな家内を見て、できるなら自分が代わってあげたいと心配でなりませんでした。
二日目。アージェント・ケアに行って診てもらったところインフルエンザとの診断をもらいました。わたし的にはさらに心配がエスカレートし、「インフルエンザは完治できるのか」とか、「インフルエンザの後遺症」などをネットで検索し読み漁っていました。
三日目。3人の子供達の朝の支度、学校への送り迎え、食事を作って下の二人を食べさせてその後片付けをし、上の子の宿題をみて、子供達を風呂に入れて、寝かしつけてのこれらのことが、看病以上にしんどくなっていました。家内を心配する気持ち以上に「これまでこんなに大変だったんだな」と、感謝の気持ちの方が強くなりました。
四日目。今まで二人でやっていたことをすべて自分一人でやっていることが、いよいよ重荷になりはじめました。最初の「僕が代わってあげたい」という気持ちが、今度は「僕がかかっていたら楽だったのに」にかわっていました。
五日目。ここから本当に恥ずかしい展開となりますが、今までのすべての気持ちが苛立というか怒りにかわりました。本人には決して言ってはいないのですが、「咳がうるさ過ぎる」とまで思っていました。
そして3歳児の双子ボーイスがオモチャの取り合いでケンカをしていた時につい「やめなさい」と大声を出して叱ってしまいました。後悔をしていたところ、上の娘が「パパはママが病気だから心配して疲れてるだけよ」と弟達を慰めてくれていました。自分の弱さを痛感すると同時に、今まで一度も期待したことなどなかったけど、まだ7歳のこんな小さな娘がパパをサポートしてくれているんだなと知って急に目頭が熱くなってしまいました。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

