来夏の映画観ようよ♪
vol.3 バタフライエフェクト
2017-12-22
子供の頃に想像した“将来の夢”は何だったろう。スポーツ選手や医者、教師に加え昨今ではプログラマーやYouTuberもランクインしているようだ。大なり小なり挫折と成功を繰り返して大人になり今、この瞬間に存在する自分はかつて思い描いていた通りの自分なのか、それとも―。
七歳の少年エヴァンは、授業の課題である“将来の夢”の絵のせいで病院に連れて行かれた。なぜなら、そこには“刃物を持った男と、血だらけで倒れている二人の男”が描かれていたからだ。さらに本人は描いた記憶がないと言い、脳の検査を受けるが異常は見当たらず、医者は毎日の行動を日記につけて経過観察をするよう告げる。その後も不可解な記憶障害が続いたが、順風満帆な大学生活を送っていた。数年ぶりに訪ねた幼馴染の女性ケイリーが、その晩に自殺するまでは。
「人生は選択の連続である」シェイクスピアの名言が痛いほど胸に刺さる。そう、日々の何気ない選択の積み重ねが現在の自分自身なのだと思い知らされる映画だ。劇中では、エヴァンは過去に戻って人生を修正できる能力を持ち、幾度となく未来を変える。自分のせいで失った大切な人を救うため・・・それなのに、一人を救うと別の人間が、さらにその人間を救おうとするとまた別の人間が不幸に、と延々悪夢のような結末を繰り返す。ついに皆が幸せになる未来に辿りつくのだが、それは大きな代償が伴うものだった。
しかし、この状況を自らに当てはめてみるのも案外悪くない。選ばなかった選択肢の先にある世界が一体どんなものか。いわゆるパラレルワールドについて想像する、そんな楽しみ方もあるのだ。タイトルは、蝶の羽ばたきのように些細な行動が重大な影響を引き起こしてしまうという理論を指す。たった一瞬の行いが未来の何かに結びつくと考えると、2018年のこれから起こる出来事にもわくわくする。そういえば自分の夢は科学者で、全く別の世界にいるなぁと思いながら。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

