編集部
◆インタビュー連載◆16 YAMAさん(タレント・元山本山関)/ 林竜禅先生(高野山米国別院開教師)
2017-02-18
格闘技好きな林先生に、なぜ格闘技・相撲が好きなのかを聞いた。
林 僕はメンタルの部分で“お勤め”という行為を毎日続けていて、ルーティン化することで無意識にでもそれをできるようにしています。このプロセスを経て、メンタルの部分をどうフィジカルの部分に体現していくかということをやっています。
格闘技も同じだと僕は考えていて、フィジカルの部分の比率が、僕ら仏教の僧侶よりも大きい。けれどメンタルをなくしたら、フィジカルだけでやっていても全く強くはならない。相撲の横綱はメンタルとフィジカルが兼ね備わった人で、とてつもなく強くなる。
僕は、相撲や格闘技などのフィジカルな競技は痛いなって思いますし、自分でも少しやりましたが、痛いので観戦する方がいいなと思いました。
僕は自分自身ができない側面をできる人たちをとても尊敬していて、アスリートをとても尊敬しています。
しかし、僕ら僧侶の方も一般的には「あまりやりたくない」と思われていることでもあります。(笑)「同じお経を唱えて何が楽しいの?」「なんで、ずっと同じことをできるの?」って。
相撲取りとか格闘技をやっている人たちは、無意識で戦えるんですよ。殴られて意識が飛んでも、練習しているように肩が出る時がある。パンチが出るんですよ。それがすごいです!
これが、僕らにしたら理想というか、無意識になっていても手を合わせることができたり、自然と人を助けることができたりする。やれることをやると、「自分勝手にならない」というパフォーマンス(実行・成果)に繋げることができる。
―“いざ”という時に、考えもせずに手が出るかというのは修行ですね。
林 そうです。いざという時にパンチが出るかどうか。このようなところに、僕は、毎日のお勤めと格闘技のトップアスリートの共通点を感じています。
トップアスリートの人たちは、僕らがやっているメンタルの部分をすごくちゃんとやっている人なんだろうなと思うので、とても尊敬しますね。
(続く)
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。