後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第391回 防衛相稲田氏と幹事長二階氏に注目
2016-09-08
今回の安倍第二次改造内閣・自民党役員人事で、注目の人物が二人いる。
ひとりは党政調会長から防衛大臣に回った稲田朋美氏、いまひとりは党総務会長から党幹事長に就いた二階俊博氏だ。
稲田氏は安倍総理とほぼ同じ信条の右派で、女性総理第一号の可能性を秘めている。
二階氏は親中派・親韓派の巨魁。勝負カン、人脈と調整力と気配りは党内隋一と言われている。
稲田氏は衆議員当選四回、政治暦こそ浅いが規制改革・公務員制度担当大臣を兼務。請われて党政調会長に就き、内閣改造の今回は難題かかえる防衛大臣を任された。
東・南シナ海、尖閣諸島へ本格侵出をうかがう大国、中国が相手だ。
早大・法を卒業したが、碌な就職先もないまま司法試験に方向転換、一日十五、六時間猛勉強の末、試験にパス。
右翼路線の発言に終始、世上の注目度は高い。
主要な発言は、①A級戦犯合祀と昭和天皇の参拝中止の間に因果関係はない②南京事件の百人斬りは左派の捏造③慰安婦は戦時中は合法、韓国の言う強制はなかった④女性宮家の創設に反対⑤自衛隊の体験と徴兵制の義務化⑥国家戦略上、核武装を検討すべし⑦在日特権を許すな、など。
二階氏は中大・法を卒業後、代議士秘書に就いて政治家を志した。衆議員に十一回当選、運輸大臣,経産大臣を務めた。
前任中川経産大臣が許可した東シナ海ガス田試掘を、経産大臣に就任するや中止させ、親中ぶりを印象づけた。
さらに①在日外国人の参政権を認める②靖国神社に代わる新追悼施設を作れと主張している。
内閣改造直前を見計らい「総裁の任期延長、検討に値する」と発言、安倍氏の歓心をかう一方、次期総裁を狙う石破氏のあせりを誘い閣外退去の要因を作った。
二○一八年九月までの総裁任期の延長を容認した功で、幹事長職を射止めた形だ。
谷垣前幹事長の自転車事故で幹事長を得たラッキーな面もあるが、総裁の任期延長論を安倍総理が高く評価した証拠でもある。
二階氏の絶妙の勝負カンが冴えわたった好例。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

