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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第428回 川柳は心の憂さの捨てどころ

2017-06-01

「ゆとりでしょ?そう言うあなたはバブルでしょ?」(なおまる御前)。
第三○回サラリーマン川柳で一位に選ばれた川柳である。
ゆとりの世代とバブルの世代、何がどう違う?
二世代に共通している不思議は相手の〝名前〟を知りたがること。
「久しぶり!聞くに聞けない君の名は」(二位)。
「ありのままスッピンみせたら君の名は?」(三位)、「同窓会みんなニコニコ名前出ず」(四位)。「君の名はゆとり世代の名が読めず」(六位)。

三脚・選の「羅新川柳」二、三、四月分と宇都湖畔・選の「パイオニア川柳」四月分を今、読了。海外の詠み手のほうがよほどうまいと思う。
「羅新川柳」で目を引いたのは「老いの身を絆創膏でつなぎとめ」(大山千里)だった。
老いと痛む身をつなぎとめる絆創膏。このレトリックが抜群の効果を発揮して絶妙のほろ苦さを伝えている。
日系詠み手の明るさはどうだ。
「背を高くする器具胴が伸びただけ」(本めぐみ)。
「せっかくの食べ放題に歯を忘れ」(小谷栞)。「来るとみてよけたつもりが鉢合わせ」(榊原フジ江)。共に達意の句。
 本さんは難題をうまく五七五に纏めている。
「老けましたな」と人はいわぬ。「まだまだ若い」と内心思っているが、
親身のセールスウーマンほど嘘はつかないもの。
「セールスがすすめる服で年を知る」(京乃一人琴)。
日本からの来客、痛い友人、知人。「英語話せない」とこちら任せ。
「日本から来る人みんなこちら持ち」(内アリス)。
「パイオニア川柳」の次の二句はデイズニー動画の明るさだ。。
「雨降りだトタンの屋根が唄い出す」(ローペス文子)、「陽だまりを鞄に入れて母が来る」(内アリス)。
今は電子時代、何で捨てられよう、十代から使ってきた古事典。「古事典今ググル時代捨てられず」(マツダ八洋)。
「いないよりいた方が良いと主のこと」(永田和代)。「と」の語法が絶妙、間髪を入れず「主のこと」で結ぶ見事な呼吸。
諸びとに、川柳は心の憂さの捨てどころとなっているようだ。
 


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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